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福島市で相続した不動産をどうするか、悩まれている方は少なくありません。
特に、遠方の不動産を相続された方は、
「相続したけれど使い道がない。」「不動産を管理する手間が大変」「税金が多額になりもったいない。」など、そのお悩みは様々です。
それらのお悩みの解決策としての一つに、不動産を売却するという方法がありますが、
実は相続税を支払った方限定で、売却時に利用できる税控除の特例があるのをご存知でしょうか?
今回は、相続税を支払った方、もしくは支払う予定のある方に向けて、
相続での不動産取得後に不動産を売却することで利用できる「取得費加算の特例」についてご説明致します。
取得費加算の特例とは、簡単にいえば、「譲渡所得から支払った相続税分を控除できる」という特例です。
簡単と言ってもこれではまだ分かりづらいですね。順を追ってご説明していきたいと思います。
まず、この特例は、相続税を支払った方限定で利用できる特例となります。
令和6年時点での相続税の簡易計算は、
(相続財産額–【基礎控除:3000万円+600万円×法定相続人の数】)×税率–控除額となります。
つまり例えば、5000万円の相続財産があり、法定相続人が1人の場合には、
((5000万円–3600万円)×15%)–50万円=160万円となります。
この場合、相続税を160万円支払うことになりますので、これが「支払った相続税分」となる訳です。
次に譲渡所得についてご説明したいと思います。
不動産を売却した場合、その売却益に対して、譲渡所得税が課税されます。
この売却益とは、「売却価格」から、「取得費」及び「販売経費」を差し引いたものとなります。それぞれを具体的に見ていきます。
実際に売却した不動産の価格です。
売却した不動産を取得(購入)した際にかかった費用になります。
これは、当時、購入した際の契約書や領収書などの根拠となる書類を揃える必要があります。
(それらがお手元にない場合には、売却価格の5%のみ控除されます。)
売却した不動産を売却するために、負担した経費になります。
例えば、建物を解体した費用や、確定測量の費用、不動産会社へ支払った仲介手数料などが挙げられます。
例として売却価格が2000万円、取得費が1000万円、販売経費が200万円であった場合には、
【売却価格:2,000万円】–【取得費:1,000万円】–【販売経費:200万円】=800万円となり、800万円に対して、税率が課税されることになります。
税率については所有期間によって、5年以内なら短期譲渡(税率:約40%)、5年以上なら長期譲渡(税率:20%)と分けられますが、
相続での取得の場合、被相続人の所有期間が加算されますので、多くの場合、長期譲渡になると思いますので、
800万円×20%=160万円となり、160万円が課税されるということになります。
今回の、取得費加算の特例は、上記の譲渡所得税を計算する際に、相続税支払い分の一部を「取得費に含めることが出来る」というものです。
取得費が大きくなればなるほど、譲渡所得税額が小さくなりますから、相続税を支払った方にとって利用しない手はありません。
しかし、この特例を受けるには忘れてはいけない要件があります。
このうち、(1)、(2)については、相続税が課税されていることでクリア出来ていますが、ポイントは(3)になります。
これを、より簡単な言葉に置き換えると、
「相続開始から3年10ヶ月以内に売却を完了させること。」となります。
つまり、被相続人が亡くなった日から3年10ヶ月を超えて経過するとこの特例は利用できなくなるということです。
これが、タイトルで申し上げた、相続不動産を売却や買取を依頼するなら3年10ヶ月以内が良い理由です。
今回の計算式では、比較的金額の小さいもので算出いたしましたが、相続財産の額が大きいほど、この特例により受ける恩恵は大きくなります。
弊社にも、福島市の相続にまつわる不動産のご相談をたくさんいただきます。
その中でも相続税の支払いを前提としたご相談の場合には、相続前に不動産を売却すべきか、それとも相続後に売却すべきか、またどの不動産を売却し、どの不動産を残すかなど、
トータルでお客様にとって最もメリットのある方法を税理士の先生とも一緒に模索し、最適解をご提案しております。
弊社へご相談をいただいた福島市のお客様でも、実際にこの特例を受けられることによって、数百万円単位で節税に成功された方もいらっしゃいます。
特に、大きな相続財産を取得した方、もしくは取得される予定の方は、この特例について、依頼されている税理士の先生や、税務署、もしくは相続案件に強い不動産会社へご相談されると良いと思います。
最後にまとめますと、
福島市で「相続不動産の売却、買取を依頼する場合には取得費加算の特例を受けるために、相続から3年10ヶ月以内に売却を完了することが節税になる。」
ということになります。
今回は簡略化しご説明をいたしましたが、実際の手続き、制度にはやや複雑かつ面倒な部分もあるため、
該当する可能性のある方は出来るだけ早く、税理士の先生や、税務署、もしくは相続案件に強い不動産会社にご相談され、
「期限が過ぎてしまい特例が受けられなかった」ということがないように、余裕を持って動き出されることをお勧め致します。
本記事が福島市の相続不動産をお持ちの方に少しでもお役立ていただけますことを願っております。
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