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福島市で不動産を売却するとき、「いったいいくら費用がかかるのだろう…?」という不安は多くの方が抱えるものです。
特に不動産を売却する場合、仲介手数料や登記費用、測量費、税金など様々な必要経費が発生します。これらを事前に把握しておかなければ、せっかく高く売れても手元に残るお金が思ったより少ない、ということにもなりかねません。
本記事では、福島市の不動産売却における最新の公的情報を基に、売却時に発生するすべての費用項目を余すことなく解説します。
費用の計算方法や相場感、節約・節税のポイント、さらには福島市の不動産市場動向まで網羅し、読者の不安や疑問に丁寧にお答えしていきます。最後には福島市で不動産売却に強い会社の紹介もありますので、安心して最後までお読みください。
まず、福島市の不動産市況を押さえておきましょう。国土交通省の不動産取引価格情報によれば、福島市の直近1年の一戸建て住宅の平均売却価格は約2,778万円(取引件数270件、平均土地面積355㎡、平均築年数35年)となっています。
土地のみの場合は平均売却額1,819万円(平均坪単価約15万円)、中古マンションでは平均売却額1,263万円(平均専有面積61㎡)というデータが出ています。
不動産売却にかかる費用は、一般的に売却価格の4~6%程度が目安になることが多いですが、これは仲介手数料や登記費用、税金などを含めた概算です。
たとえば2,500万円で売却できた場合、諸費用として100~150万円前後が差し引かれるケースもあります。ただし、譲渡益が出なければ税金はかからず、実際の費用はそれより少なくなることもあります。
不動産売却では「いくらで売れるか」ばかりに目が行きがちですが、実際には諸費用を差し引いた「手取り額」こそが重要です。
福島市の相場感で見ると、仲介手数料や税金などの費用次第で最終的な手取りが数十万円単位で変わる可能性があります。特に住宅ローンが残っている場合や、譲渡益(売却益)に対する税金が発生する場合、事前準備がないと予想外の出費に驚くことにもなりかねません。
福島市の不動産売却費用を正しく理解することは、安心・安全な取引のための第一歩です。
本章では、これから詳しく費用項目を見ていく前に、なぜ費用の把握が重要なのか整理しました。不安や悩みに寄り添いつつ進めていきますので、一緒に確認していきましょう。
それでは、福島市で不動産を売却する際にかかる主な費用項目を一つひとつ詳しく見ていきます。ここでは仲介手数料から始まり、印紙税、登記費用、測量費、ローン関係費用、引越し代、税金など、売却時に考慮すべきあらゆる費用を網羅します。
それぞれ計算方法や相場、支払うタイミングも解説しますので、ご自身のケースに当てはめながらチェックしてください。
不動産会社に売却の仲介を依頼して無事に取引が成立した際に支払う成功報酬が仲介手数料です。売主様の物件を販売するために、不動産会社は広告掲載や案内、交渉など様々な活動を行います。
その成果として売買契約が成立したときにのみ発生する費用で、契約が成立しなければ原則支払い不要(無料査定や広告費用も含め、基本的に成功報酬型)となっています。
仲介手数料の金額と計算方法
仲介手数料には法律で上限額が定められており、売買価格に応じて次の速算式で計算できます(宅地建物取引業法および国土交通省告示による規定)。
・売買価格が200万円以下の部分:取引額の5%(別途消費税)
・200万円超~400万円以下の部分:取引額の4%+2万円(別途消費税)
・400万円超の部分:取引額の3%+6万円(別途消費税)
例えば売買価格が1,000万円の場合は、 200万円 ×5% + 200万円超過分200万円×4% + 400万円超過分600万円×3% = 手数料29万円(税抜)となります。
売買価格が400万円を超える場合に使える簡便な速算式では、「(売買価格×3% + 6万円)+消費税」で求められます。
仲介手数料の支払いタイミング
仲介手数料は、全国的には契約成立時に半額、物件の引き渡し時に残り半額を支払うのが一般的ですが、福島市では物件の引き渡し時に一括で支払うことが多いでしょう。
あくまで成功報酬ですので、売買契約が無事成立して初めて支払い義務が生じます。また、手数料には消費税10%がかかる点にも注意しましょう。不動産会社から提示される手数料額は通常税込金額が案内されますが、内訳として消費税が含まれていることを念頭に置くと良いです。
仲介手数料以外に発生する可能性のある費用
基本的な仲介活動に要する費用(広告費や販売活動費など)は仲介手数料に含まれるのが通例ですが、売主様の依頼によって特別な対応を取った場合には、実費が請求されるケースもあります。
例えば「遠方の買主候補のもとへ出張して交渉した際の交通費」や「売主の要望で通常以上の特別な広告(専門誌への掲載等)を行った場合の費用」などです。
また後述しますが、売却前提で土地の測量を行った場合の測量費や、古家付き土地を更地にするための解体費なども、状況によっては売主負担となり得ます。こうした費用が発生しうるケースについても、事前に不動産会社と相談しておくと安心です。
不動産の売買契約書を作成する際には、印紙税の納付が必要です。具体的には契約書に契約金額に応じた額面の収入印紙を貼り、割印することで納税します。
この印紙代は法律上は契約書を作成した者が負担することになっており、通常は売主・買主それぞれが自分の手元に保管する契約書面に印紙を貼付します(契約書を2通作成する場合は2通それぞれに必要)。
一般的な取引実務では、不動産会社が契約書類を用意し、後日売主に請求する形で清算されることが多いです。
印紙税の金額(収入印紙代)
契約書に貼る収入印紙の額は、契約書に記載された取引金額(売買代金)によって定められています。
例えば、1,000万円超~5,000万円以下の契約書なら1万円、5,000万円超~1億円以下なら3万円、100万円超~500万円以下なら1千円…といった具合です。ただし現在は税制優遇措置により印紙税が軽減されています。
2014年4月1日~2027年3月31日までに作成される不動産譲渡契約書については、印紙税額が一部軽減(本則税率から半額程度)となる措置が適用中です(例えば本則2万円→軽減1万円、6万円→3万円など)。
印紙税額(不動産売買契約書)一例【軽減措置適用時】
・100万円超~500万円以下:印紙税 1,000円(通常2,000円)
・500万円超~1,000万円以下:5,000円(通常1万円)
・1,000万円超~5,000万円以下:1万円(通常2万円)
・5,000万円超~1億円以下:3万円(通常6万円)
例えば2,500万円で不動産が売れた場合、軽減措置により1万円の印紙税が課されます。印紙税は契約書1通ごとに必要なので、売主用と買主用に2通作成すれば2通分の印紙代がかかります。
福島市に限らず日本全国共通の費用ですが、こうした数万円単位のコストも積み重ねれば無視できないため覚えておきましょう。
不動産の売却に伴って必要となる登記手続きにも費用が発生します。具体的には、大きく分けて次の2種類があります。
所有権移転登記は買主負担
不動産を売却すると、物件の所有権を売主から買主へ移転するための「所有権移転登記」を行います。この際に課される税金が登録免許税ですが、所有権移転の登録免許税は原則として買主が負担します。
売却される不動産の固定資産税評価額に、所定の税率(登記の種類や不動産の種別により異なる、一般的には土地2%・建物2%(※居住用建物は軽減税率1.5%や0.3%適用の場合あり))を掛けた金額が登録免許税となり、これを買主側が納付するのが通例です。したがって売主であるあなたが、所有権移転の登記費用を負担する必要は基本的にありません。
抵当権抹消登記と司法書士報酬
一方、売主側で発生し得る登記費用として、重要なのが抵当権抹消です。売却物件に住宅ローンなどの抵当権が設定されている場合、残債を完済して抵当権を抹消する登記が必要になります。
抵当権抹消登記そのものにも登録免許税という税金がかかりますが、その税額は不動産1件につき1,000円(土地と建物にそれぞれ抵当権がある場合は各1,000円)と固定額で比較的少額です。また、登記手続きは司法書士に依頼するのが一般的で、その司法書士への報酬も必要経費となります。
報酬額は依頼先や案件によって異なりますが、抵当権抹消登記で1〜2万円程度が相場感です。つまりローンが残っている物件では、抹消登記に数千円〜数万円程度の費用が見込まれます。
なお、既にローンを完済し終えて抵当権が残っている(抹消していない)だけの場合も、売却前に抵当権を外す必要があります。完済証明書類を用意した上で同様に抹消登記を行いましょう。
住所変更登記などその他の登記
売主の事情によっては、他にも登記が必要になるケースがあります。例えば、物件を購入後に引っ越して住民票の住所が変わっている場合、所有者の住所変更登記をしておかないとスムーズに所有権移転ができません。
この住所変更登記も登録免許税(1件500円)が課され、司法書士に依頼すれば別途報酬(1万円前後)がかかります。また、相続物件を売却する場合でまだ相続登記(名義変更)をしていない場合は、事前に相続登記を済ませる必要があります(この場合の登録免許税は評価額の0.4%など)。
自分で行うことも可能ですが不備があると大変なので、基本的には専門家に依頼することになるでしょう。
売却物件に住宅ローンの残債がある場合、売却代金を充当して一括返済(繰上げ返済)を行う必要があります。この際に、金融機関に支払う繰上げ返済手数料が発生することがあります。
手数料の金額は金融機関やローンの契約内容によって異なりますが、0円~5万円程度が一般的です。最近ではインターネットバンキング経由の一括返済なら無料という銀行もありますが、固定金利期間中の繰上げ返済だと数万円の手数料がかかるケースも見られます。
具体的には、フラット35や一部のネット銀行では手数料無料の場合があります。一方で大手都市銀行などでは店頭手続きの場合2~3万円程度の手数料設定があるようです。
繰上げ返済手数料はローン契約時の約款に定められていますので、売却を検討し始めたらご自身の金融機関に確認してみましょう。予想外のコストを防ぐため、事前問い合わせがおすすめです。
また、金融機関からローン残高証明書や抵当権抹消同意書などを発行してもらう際にも、数百円~数千円の手数料が発生する場合があります(これらはローン完済手続きに必要な書類です)。これらも細かいですが費用に含めておくとよいでしょう。
住居を売却するということは、現在その不動産にお住まいの場合には引っ越しが伴います。当然、引越し業者への支払いなど引っ越し費用も売却に関連するコストと言えます。
引っ越し代は荷物の量、移動距離、新居が近場か遠方か、時期(繁忙期かオフシーズンか)などによって大きく変動します。同市内で家族の引越しであればおおむね10~20万円前後、単身で荷物が少なければ数万円程度というケースもあります。
繁忙期の3月などは割高になるため、可能なら時期を選んでコストダウンすることも検討しましょう。
引っ越し代を抑えるポイントとしては、不要品の事前処分で荷物を減らす、複数の引越し業者から見積もりを取って比較する、平日やシーズンオフを狙う、といった方法があります。
特に不用品の処分は売却物件の中を空にするためにも必要ですので、一石二鳥です。なお、家財道具の整理・処分を専門業者に依頼する場合はその費用も別途かかります(家一軒丸ごと処分だと数十万円になることも)。自力で難しい場合は見積もりを取得して早めに計画しておきましょう。
不動産を売却して利益(譲渡所得)が出た場合、その利益に対して譲渡所得税および住民税が課されます。これは売却した年の翌年に確定申告を行い納付する税金で、株式などとは異なり不動産の譲渡所得は分離課税として他の所得と分けて計算されます。まずは譲渡所得(=売却益)の計算方法と税率を押さえましょう。
譲渡所得(売却益)の計算
譲渡所得=売却価格 -(取得費 + 譲渡費用)- 特別控除で求められます。
・取得費とは、もともとその不動産を購入したときの代金や取得時の諸費用(仲介手数料・登記費用など)、さらに取得後に支出した設備費や改良費を含む金額です。もし購入時の記録が不明な場合は、売却価格の5%を概算取得費とすることも認められています。
・譲渡費用とは、売却のために支出した費用で、仲介手数料、契約書の印紙代、測量費、建物を壊して更地で売る場合の解体費、借家人に立ち退いてもらうための立退料などが該当します。
要するに今回解説している諸費用のうち、純粋な税金以外のものは概ね譲渡費用として計上可能です。これら取得費と譲渡費用を売却額から差し引き、さらに後述の特別控除があれば控除した残りが課税対象となる譲渡所得金額です。
譲渡所得にかかる税率(長期譲渡・短期譲渡)
不動産の譲渡所得に対する税率は、その不動産の所有期間によって長期か短期かで異なります。売却した年の1月1日時点で所有期間が5年を超えていれば「長期譲渡所得」、5年以下であれば「短期譲渡所得」です。長期か短期かで税率が大きく変わり、長期譲渡所得の方が優遇された低い税率となります。
・長期譲渡所得の税率:所得税15%+住民税5%=20%(正確には復興税含め20.315%)
・短期譲渡所得の税率:所得税30%+住民税9%=39%(正確には復興税含め39.63%)
※平成25年~令和19年(2037年)までは復興特別所得税としてそれぞれ所得税額の2.1%が上乗せされます(上記の20.315%、39.63%に含まれる)。
例えば購入から10年以上経ったマイホームを売却して1,000万円の譲渡所得(利益)が出た場合、税額は約203万円(長期20.315%)です。
一方、取得後まだ2年の投資用物件を売却して1,000万円利益が出た場合は約396万円(短期39.63%)もの税金となり、手取り利益が大きく減ってしまいます。このように、所有期間で税負担は倍近く違うため、売却タイミングによっては5年経過を待つことも検討に値します。
譲渡所得の特別控除や特例による節税
譲渡所得にはいくつか特別控除や税率特例が用意されており、要件を満たせば大幅な節税が可能です。代表的なものを挙げます。
・居住用財産(マイホーム)を売った場合の3,000万円特別控除:
自身が住んでいた家(土地含む)を売却した場合、譲渡所得から最高3,000万円までを控除できる制度です。譲渡所得が3,000万円以下なら税金ゼロになります。
マイホームであれば原則誰でも利用可能ですが、住まなくなってから3年以内に売却すること、一度しか使えないこと、親子や夫婦間取引では使えないこと等の条件があります。福島市でもご自宅を売却するケースでは非常に強力な減税措置となり、多くの方が適用となるでしょう。
・マイホームを10年以上所有していた場合の軽減税率の特例:
上記3,000万円控除と併用して、譲渡所得6,000万円以下の部分の税率を14.21%(所得税10%+住民税4%+復興税)に軽減する制度です。長期譲渡所得の通常税率20.315%より約6%低く設定されています。10年以上居住したご自宅を売却する場合に適用され、こちらも令和5年時点で適用期限は令和7年12月31日までとなっています。
・特定の居住用財産の買換えの特例:
マイホームを売却して新たなマイホームに買い替える場合、一定の要件の下で譲渡益課税を将来に繰り延べできる制度です。売却資産と新居の価格要件など細かな条件がありますが、該当すれば買換えによる課税を当面ゼロにできます。
・被相続人居住用住宅(空き家)の3,000万円控除:
相続した空き家(昭和56年5月以前に建築、区分所有でないなど条件あり)を売却する場合、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例です。高齢の親族が住んでいた家を相続し、一定期間内に耐震リフォームまたは解体して売却するケースなどが対象となります。
上記のような特例を活用することで、譲渡所得税・住民税を大幅に減らしたりゼロにすることも可能です。適用には確定申告が必要で、必要書類(住民票除票や耐震適合証明など)を揃える必要があります。該当しそうな場合は早めに税務署や税理士に相談し、準備を進めましょう。
譲渡所得税の申告と納付
不動産を売却して譲渡所得が出た場合、たとえ税金がゼロでも確定申告が必要です(特別控除適用で非課税になった場合も申告要)。申告期限は売却した翌年の2月16日から3月15日までで、申告すると税額が計算され原則3月15日までに納税します。
会社員の方も譲渡所得については自分で申告が必要なので注意しましょう。逆に譲渡損失(売却損)が出た場合、確定申告をすれば一定の要件下で他の所得との損益通算や損失の繰越控除(翌年以降3年間)も可能です。税金は専門的な分野ですので、不明点があれば税務署の相談窓口や専門家の力を借りて適切に手続きを行ってください。
上記に挙げた以外にも、物件の状況によって発生し得る費用があります。見落としがないよう、最後に「その他の費用」についても確認しておきましょう。
・土地の測量費用:
土地や戸建て物件を売却する際、隣地との境界が不明確な場合や登記簿面積と現況面積に差異がある場合には、土地家屋調査士による境界確定測量を行うことがあります。
測量費用は土地の広さや筆数、隣地所有者との立会い数などによりますが、数十万円(一般的に30~80万円程度)と高額になる場合もあります。必ずしも全ての売却で必要になるわけではありませんが、買主側が融資を受ける場合や再建築のため境界確認が求められる場合などには実施を求められるケースがあります。
売却前に境界標があるか、自分の土地の測量図があるかなど確認し、不明な点は不動産会社と相談しましょう。
・建物の解体費用:
古い家付きの土地を「更地渡し」で売却する場合、建物の解体費用が発生します。木造住宅の解体費用は一般的に坪あたり5~7万円と言われ、延床面積30坪(約100㎡)なら150~210万円が目安です。
鉄筋コンクリート造などではさらに割高になります。解体費用は売却代金に直結するため、売主負担で更地にするか、買主に現況渡しで引き渡すか戦略を考える必要があります。
福島市では古屋付き土地を解体せずそのまま購入してリフォームする需要もありますが、解体して更地にした方が早く高く売れるケースもあります。解体費用と売却価格の増減を天秤にかけて検討しましょう。
・ハウスクリーニング・リフォーム費:
中古住宅の場合、売却前にプロのクリーニングを入れたり簡易リフォーム(クロス張替え等)を行うことがあります。これらは必須ではありませんが、印象アップで早期売却や価格維持につながる可能性があります。
ただし過度なリフォームは費用倒れになる場合もあるため、不動産会社と相談の上で最低限効果的な範囲に留めるのが良いでしょう。クリーニング代は数万円、リフォームは内容次第ですが数十万円~になります。
・残置物の処分費:
空き家や実家の売却では、家財道具やゴミの処分費用も問題になります。自力で片付けられない場合、専門の不用品回収業者に依頼できますが、家の規模によっては数十万円の費用となることもあります。
最近では売主の負担軽減のため、「荷物そのままでOK」「手出し費用なし」とうたう不動産会社(買取サービス等)もあります。処分費用を誰が負担するかは契約内容によりますが、一般仲介で売却する場合は基本的に売主が全て片付けて引き渡すことになる点に注意しましょう。
・公的書類の発行手数料:
売却手続きでは各種証明書類も必要です。例えば固定資産税評価証明書(市役所で発行、300円前後)や身分証明書類(印鑑証明書・住民票)(各1通数百円)など、いずれも取得には手数料がかかります。
1通あたりの金額はわずかでも複数用意するとそれなりの額になります。特に印鑑証明書は売主本人のものに加え共有者全員分、さらに司法書士への委任状用など複数部求められる場合があります。またマンションを売却する場合は、管理組合発発行の管理費等残高証明書(数千円)や管理規約の写し等の取得費用も発生することがあります。
以上、売却にまつわるあらゆる費用項目を洗い出しました。ケースによって必要になる費用は変わりますが、「こんな費用もあるのか」と事前に知っておくだけでも心構えが違います。
では、これら費用をできるだけ抑えるにはどうすればよいか、次の章で考えてみましょう。
多くの費用がかかる不動産売却ですが、工夫次第で費用負担を軽減したり節税することも可能です。ここでは費用を抑えるための具体的なポイントをいくつか紹介します。
仲介手数料は法律で上限が決まっていますが、実は下限は決まっていません。不動産会社によっては手数料割引に応じてくれたり、買取保証等のサービスで諸費用負担を肩代わりしてくれる場合もあります。福島市エリアに精通した不動産会社を含め、複数社に査定依頼して提案内容を比較することが重要です。
一括査定サイト等を使えば手間なく複数社の査定額や条件を比較できます。最終的に信頼できる会社を選ぶのは大前提ですが、「〇〇費用は当社で負担します」など好条件を提示してくれる会社を見逃さないようにしましょう。
前述のように、所有期間5年超になるか否かで譲渡税率が大きく変わります。もし売却益が見込まれ、かつ所有開始から5年目前という場合は、あと少しだけ売却を先延ばしして長期譲渡所得に切り替えるだけで数百万円単位の節税になることもあります。
また、急いで現金化したい場合でも仲介で買主を探す方法だけでなく、不動産会社による直接買取という選択肢もあります。買取なら仲介手数料が不要で、早ければ数日~数週間で売却代金を受け取れる利点があります。
買取価格は相場の7~8掛け(70~80%)が一般的で仲介に比べ安くなりますが、手数料や時間をかけずに済むメリットも考慮し、自分に合った売却方法を検討しましょう。
使える特別控除や特例は漏れなく活用しましょう。特に3,000万円特別控除はマイホーム売却時にほとんどの場合適用でき、譲渡益が出ても大半の方は税金がゼロになります。
福島市で長年お住まいの自宅を売る方ならこの控除で安心できるケースが多いでしょう。また、控除を使ってもなお譲渡益が大きい場合や、控除が使えない(投資用不動産の売却など)場合は買い換え特例や居住用10年超軽減税率の適用も検討してください。
これらは同時適用できない組み合わせもあるため、自身の状況でどれが有利かシミュレーションすることが大切です。税理士に依頼すれば費用はかかりますが、その分大きな節税に繋がるなら検討の価値があります。
境界測量や建物解体は高額な費用ゆえ、本当に必要かを見極めることが肝心です。隣地と長年トラブルなく境界が確定しているなら無理に測量せず、現状有姿渡しで買主に承諾してもらうことも可能です。
古家についても「更地にすれば高く売れる」と言われがちですが、解体費用以上に価格が上がらなければ意味がありません。場合によっては「古家付き」のまま、買主負担で解体してもらう条件で売ることもできます。
不動産会社と相談し、コスト対効果を考えて判断しましょう。見積もりを取る際も一社だけでなく複数の業者から取り、適正な費用か比較することが重要です。
売主側でできる工夫として、買主との契約交渉時に費用負担の範囲を取り決めることもポイントです。例えば「登記費用は買主負担」「固定資産税等の清算金は○月○日を基準日とする」といった取り決めを契約書に明記します。
特に固定資産税・都市計画税の精算では、引渡日を基準に日割りまたは月割りで買主に負担してもらう期間分の金額を清算金として受け取るのが一般的です(多くの場合1月1日~引渡日を売主負担、引渡日翌日以降~12月31日を買主負担とし清算)。これは通常慣習化していますが、認識の違いがないよう事前に確認しましょう。
また、瑕疵担保(契約不適合)責任の期間や範囲を限定することで、後々売主が負担する修繕費リスクを減らすこともできます。プロの担当者とともに、有利かつ安心できる契約条件を整えることが結果的に余計な出費を防ぐことにつながります。
最後に、不動産売却時の費用についてよくある質問や注意点をQ&A形式で整理します。疑問を一つずつ解消していきましょう。
A.仲介手数料には上限こそありますが、必ずしも上限満額を支払う義務はありません。法律上は上限額までしか請求できないというだけで、実際の手数料額は不動産会社と媒介契約を結ぶ際に合意して決めるものです。
とはいえ、多くの会社は上限いっぱいの3%+6万円(+消費税)で手数料設定しています。ただ中には独自の割引サービスを設けている会社や、売主・買主双方から手数料を得る両手仲介では多少減額に応じてくれるケースもあります。
また、どうしても費用を抑えたいなら不動産会社を介さず自力で買主を見つける(いわゆる「仲介なし」)方法も考えられますが、現実には個人間取引はトラブルのリスクも高く一般的ではありません。複数社に相談し納得のいく仲介契約を結ぶことが現実的な解決策と言えます。
A.測量やリフォームは物件の状況次第です。境界がハッキリしていない土地や古家付き土地を更地で売る場合などは測量・解体が必要ですが、そうでなければ無理に実施する必要はありません。
最近は買主側も現況有姿での購入に慣れてきており、「古い部分は自分でリフォームするからOK」という方も多いです。費用をかけずに売却するためには、不動産会社に「このままの状態で買ってくれる人を探してほしい」と伝え、市場ニーズに合った売却活動をしてもらうことです。
ただしその場合は売出価格にその分のコスト(買主負担で直す費用)を織り込んで設定する必要があります。結果的に価格が下がる可能性もありますので、費用をかけて高く売るか、費用をかけずに安めで売るかのバランスを専門家と検討しましょう。
A大きな支払いが発生するタイミングは主に引渡時、それから翌年の税金納付時期です。
契約時には契約書に貼る印紙代のみ、引渡し時(残代金決済時)には仲介手数料に加え、ローン完済する場合はローン返済金、司法書士への登記費用などを支払います。
これらは基本的に売却代金を充当してまかなう形になるので、事前に大金を用意する必要はありません。引渡時には買主から残りの売却代金を受け取りますが、その中から諸費用を支払って残りが手取り金となる流れです。
引越し代などは各自タイミングで支払いますが、売却代金を受け取ってから引越しする場合はその資金でまかなえます。翌年の確定申告で譲渡税が確定したら、申告期限(3月15日)までに税金を納めます(税金額が大きい場合は申告期限までに譲渡所得用の予定納税をしておくことも可能です)。
このように、まとまった資金が手元になくても売却代金の中から清算できるケースが多いのでご安心ください。ただし、先行して測量や解体を行う場合は完了時に業者へ支払いが必要ですので、その点は留意しましょう。
A.不動産の固定資産税・都市計画税は毎年1月1日時点の所有者に1年分課税されます。しかし売買で途中で所有者が変わるため、売主と買主の間で日割り・月割り清算するのが一般的です。
福島市を含む多くの地域では、引渡日を基準にその年の税金を按分し、引渡日以降の期間について買主から売主へ支払ってもらいます。具体的には、例えば4月1日引渡しなら4~12月分を買主負担として売主に支払う、といった具合です(細かな算出方法は契約で取り決めます)。
したがって、売主が負担するのは引渡日までの期間の税金のみです。すでに売主が年税額を全納している場合は、一部を買主から清算金として受け取る形になります。これにより税負担は公平に分担されますので、売主だけが二重に税金を払う心配はありません。
A.確定申告は基本的に自己責任ですが、税務署も申告書の書き方については丁寧に教えてくれます。また、譲渡所得の申告は不安であれば税理士に依頼することも可能です(その場合の報酬は5万~10万円程かかりますが、節税効果が見込めるなら検討してください)。
申告を税理士に任せたからといって後で税務調査が入らない保証はありませんが、少なくともプロの目でチェックしてもらえる安心感はあります。自分で申告する場合は、国税庁の確定申告書作成コーナーを使えばガイドに従って数字を入力するだけで比較的簡単に申告書が作成できます。
譲渡所得の計算でミスが起きやすいのは取得費の漏れ(当時払った仲介手数料などを失念)や特例の適用誤りです。領収証類を整理し、不明点は遠慮なく税務署に相談しながら正確に申告しましょう。
不動産売却にかかる費用や必要経費について、福島市の市場動向を踏まえながら詳しく解説してきました。主なポイントを振り返ります。
・福島市の不動産相場は一戸建てで平均2,000万~3,000万円台。売却時の諸費用は概ね売却額の4~6%が目安。
・費用項目には仲介手数料、印紙税、抵当権抹消登記費用、ローン返済手数料、引越し代、譲渡所得税など多岐にわたる。ケースにより測量費や解体費、クリーニング代等も発生。
・仲介手数料は「売買価格×3%+6万円+消費税」が上限。印紙税は契約金額に応じて数千円~数万円(2027年までは軽減税率適用)。
・登記費用は所有権移転登記は買主負担、売主側は抵当権抹消登記(数千円+司法書士報酬)や住所変更登記など必要に応じて。
・譲渡所得税は長期(5年超)なら約20.315%、短期なら39.63%の税率。ただし3,000万円特別控除等の特例で大半は軽減可能。
・費用節約策として、複数社への相談で条件比較、特例フル活用による節税、測量や解体の要否検討、契約交渉での負担調整などが有効。
不動産売却は高額な取引ゆえ不安も大きいですが、費用面を事前に把握して対策しておけば、余裕をもって売却に臨むことができます。ぜひ本記事の情報を参考に、納得のいく不動産売却を実現してください。
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