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「親から相続した実家、物が多すぎて片付ける時間がない…」
「処分しなきゃいけないものが山積みだけど、どこから手をつければいいの?」
「業者に依頼すると高そう…でも自分だけでは到底無理…」
不動産売却を考えたとき、こんな悩みを抱える方は少なくありません。特に実家や長年住んでいた家には思い出の品々やさまざまな家財道具が蓄積されており、それらをどうすればよいのか途方に暮れてしまうものです。
このガイドでは、そんな悩みを抱える福島市の方々に向けて、残置物処理の具体的な方法から費用相場、スケジュール感まで、初心者の方でも実践できる情報をわかりやすく解説します。
自治体サービスを賢く使う方法、信頼できる業者の選び方、さらには片付けなしで売却する選択肢まで、あなたの状況に合った最適な方法が見つかるはずです。
不動産を売却すると決めたものの、家には大量の家具や生活用品が残ったまま…こんな状況では、売却はスムーズに進むのでしょうか?
残置物とは、引っ越しや退去後に物件内に残された荷物や家具のことです。買主に物件を引き渡す際、本来はこれらを空にしておくのが原則ですが、実際には処分に手間や費用がかかるため悩む方も多いです。
残置物があるままでは内覧時の印象が悪くなったり、売買契約で「引渡しまでに撤去すること」が条件になるのが一般的です。もしそのまま残して引き渡すと契約違反(契約不適合)となりトラブルになる可能性もあります。
では、残置物の処分にはどれくらいの手間と費用がかかるのでしょうか?
方法は主に二つあり、自分で片付けるか業者に任せるかです。
自分で処分する場合、福島市の自治体サービス(粗大ごみ回収やごみの自己搬入)や、リサイクルショップ・寄付などを活用できます。
業者に任せる場合、不用品回収業者や遺品整理業者に依頼して一度に片付けてもらう方法があります。
中には「残置物あり」のまま物件を買い取ってくれる不動産会社も存在し、自分で処分せずに売却する選択肢もあります。
以下からそれぞれについて、残置物をスムーズに片付けて不動産売却を成功させるための方法を解説致しますので、ぜひ参考にしてください。
まずは、自分たちで残置物を処分する方法です。福島市の自治体サービスやリサイクルを活用すれば、費用を抑えて処分することができます。ただし労力と時間はかかるため、計画的に進めましょう。
福島市では、家庭から出る大型ごみを粗大ごみとして収集しています。粗大ごみの定義は「家庭内で日常使用された大型耐久消費財」で、目安として長さ60cm以上200cm未満または重さ10kg以上100kg未満のものです。
家具や家電など多くの残置物はこの粗大ごみに該当します。福島市の粗大ごみは、ごみ集積所には出せず、処分方法は2通りあります:
専用ダイヤルに電話予約すると、自宅前まで市が収集に来てくれます。1回の申込で5点まで出せ、収集まで約3週間かかります。費用は無料ですが、予約制のため時間に余裕をもって申し込みましょう。
申し込み後、収集日が決まったら収集日の朝8:30までに、指定場所(玄関先や門の前など)へ粗大ごみを出します。
その際、品物ひとつひとつに「粗大ごみであること」と自分の氏名を書いた紙を貼る決まりがあります。例えば紙に大きく名前を書き、剥がれないよう貼付します。こうすることで市の収集員が予約品と確認して持って行ってくれます。
※本記事に記載の点数制限や回収待機期間は一般的な目安です。最新の福島市の粗大ごみ収集ルールや申込状況については、公式サイトや市役所にご確認ください。
大型ごみを自分で市のクリーンセンター(ごみ処理施設)へ運ぶ方法です。
受付時間内に直接持ち込めば処分してもらえ、手数料は無料です。お住まいの地域によって搬入先の施設が異なりますが、代表的な施設として「あぶくまクリーンセンター」などがあります。
事前予約は不要ですが、搬入時に本人確認書類の提示や受付簿への記入、車両ごとのごみ重量計量などの手続きが必要です。
大量に持ち込む場合、施設が混雑して長時間待つこともあるので余裕を持って行きましょう。なお持ち込みは本人に限る決まりがあり、友人知人に代行してもらうことはできません(やむを得ず親族が代行する場合は事前に市役所へ相談が必要です)。
自治体サービスを利用する場合の注意点として、すべての品目が市で処分できるわけではないことに気を付けてください。テレビ、エアコン、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機などの家電リサイクル法対象品や、パソコン、バイクなどは市では収集・処分できません。
これらは購入店やメーカーによる回収サービス、指定引取場所への持ち込み(リサイクル券の購入が必要)で処分する必要があります。
例えば冷蔵庫やテレビは郵便局でリサイクル料金を払い、指定場所へ持ち込むか家電店に回収を依頼します。こうした特殊な品目は残置物に含まれていれば別途対応が必要なので、事前に仕分けておきましょう。
また、粗大ごみ基準より小さいものは通常の可燃ごみ・不燃ごみ(埋め立てごみ)として出せます。福島市では家庭ごみの分別ルールがあり、決められた曜日に決められた集積所へ出します。
指定のごみ袋は無く、45リットル以下の透明袋に入れれば収集してもらえます。そのため、解体できる家具はバラして可燃ごみ(木製部分や布類)や不燃ごみ(金属部分)に小分けして出すと処分費をかけずに済みます。
例えば木製の棚はノコギリで切って長さ60cm未満にし、金具はドライバーで外して分別します。袋に入らない細長い棒なども、福島市では長さ1m未満なら資源ごみ・不燃ごみの日に出せるケースがあります
(※燃えないごみの規定として「60cm以上のものは粗大ごみ」という定義があるため、それ未満にすれば可能)。
ただし、前日から出しておくことは禁止されているので、収集日当日の朝に出すようにしましょう。解体・分別処分は手間はかかりますが、ごみ袋代程度のわずかな費用で済むため、時間と体力に余裕があれば有効な方法です。
残置物の中には、まだ使える家具や家電、衣類・雑貨などもあるでしょう。そうした再利用可能な物は、廃棄する前にリサイクルショップでの買取を検討しましょう。
福島市も「使えるものはリユースを」と推進しており、地元の掲示板サービス「ジモティー」などと連携して、市民に再利用を呼びかけています。
これらを利用すれば、最短当日中に引き取りに来てもらえるケースもあります。例えば、不要になった家具をジモティーに出品すれば、欲しい人が見つかれば直接取りに来てくれることがあります。
また福島市内には中古品を扱うリサイクルショップが多数あります。全国チェーンのハードオフ・オフハウスやセカンドストリートの他、地域密着の店もあります。
家電や家具は年式や状態によって買取価格がつかない場合もありますが、出張査定は無料という店が多いので相談してみる価値はあります。うまくいけば処分予定の品が現金化でき、処分費用の足しになるでしょう。
ただし、リサイクルショップに持ち込む場合は品物を運ぶ手間があり、大型家具家電は難しいため出張買取サービスを利用すると便利です。
店舗によっては大型品の出張引き取りに対応しており、エアコンの取り外しサービスなどを行うところもあります。事前に電話やウェブで問い合わせ、写真を送って見積もりを取るとスムーズです。
なお買取不可だった品については、自分で改めて処分するか、業者によっては有料で引き取ってもらうこともできます。例えば古すぎる洗濯機などは値段が付かなくても、「有料で回収なら可能」と提案されることがあります。交渉次第ですが、多少費用を払ってでも一緒に持って行ってもらうと手間が省けるでしょう。
使えるものを捨てるのは忍びない、利益は要らないから誰かに活用してほしい、という場合は寄付や無償譲渡の方法も検討しましょう。福島市内の福祉施設やNPOなどで物品の寄付を募っている場合があります。
たとえば子育て支援施設では絵本やベビー用品の寄付を受け付けていることがあります。直接地元の施設に問い合わせてみるとよいでしょう。
また全国規模では、不要品を箱に詰めて送るだけで寄付になるサービス(例:「いいことシップ」「キフコレ」など)もあります。
これらは自宅から宅配便で送付すると、売却できるものはリサイクル販売し、売上金を社会貢献団体に寄付してくれる仕組みです。送料が自己負担だったり、扱えない品目もありますが、捨てずに誰かの役に立てたい方には選択肢となります。
身近なところでは、知人や近所の方に譲渡する方法もあります。引き出物の食器セットや未使用のタオルなどは欲しい人がいれば譲りましょう。フリーマーケットやバザーに出品するのも手です。
最近はスマホアプリのフリマアプリ(メルカリやラクマ等)で手軽に個人売買できますが、発送作業ややり取りの手間があるので、残置物の量が多い場合には不向きかもしれません。
一方、直接会って引き取ってもらえるジモティーは「0円」で出品することでスピーディーに引取手が見つかることもあります。実際に福島市でも「取りに来てくださる方限定で○○を無料で譲ります」といった投稿が多く見られます。
譲渡の際は、動作しない家電や汚れた家具などはトラブル防止のため正直に状態を伝えるようにしましょう。お互い納得の上で引き取ってもらえれば、感謝されるうえに処分も進み一石二鳥です。
前述した通り、大きな家具でも分解すれば通常の家庭ごみとして処分可能です。工具と根気がある方は、この方法でコストゼロ処分を目指しましょう。
具体的には、木製家具なら釘や金具を外して板を小さく切り、燃えるごみの袋に入れます。座布団や布団など嵩張る寝具も、小さく折り畳んで紐で縛れば「燃やせるごみ」として出せます(福島市では布団は粗大ごみ扱いですが、切断して45L袋に収まれば可燃ごみ扱いにできる場合があります)。
一方、電子レンジや掃除機など小型家電は不燃ごみの日に出せます。ただしテレビ・エアコン等のリサイクル法対象品は分解しても収集してもらえませんので注意してください。
解体処分のメリットは費用負担がほぼないことと、自分のペースで少しずつ出せることです。売却まで時間があるなら、毎週コツコツとゴミ袋を出し続ければ、大量の残置物もいずれ片付いていくでしょう。
ただしデメリットは体力と時間を要する点です。重いタンスを解体するにはケガのリスクもあります。
また、一度に大量のゴミ袋を出すと近隣の迷惑になるため、収集日に数袋ずつに留める配慮も必要です。
引越しシーズンなどで一時に多量のごみが出た場合、福島市も「一時多量ごみ」として直接自己搬入するか収集運搬業者へ依頼してほしいと案内しています。無理せず、処理しきれない量になったら次に述べる業者の活用も検討しましょう。
続いて、自分では手が回らない場合に専門業者に処分を依頼する方法です。費用はかかりますが、一度に短時間で片付けてもらえるため、遠方に住んでいて片付けに通えないケースや、処分品が大量にあるケースで有力な選択肢となります。
福島市内で利用できる不用品回収業者や遺品整理業者、あるいは買取サービスを行う業者について具体的に紹介します。また、業者選びの注意点(料金相場や悪徳業者に注意)も確認しましょう。
不用品回収業者とは、家庭の不要品を有料で回収処分してくれるサービス業者です。トラックと人員で家まで来てくれ、不要品をすべて積み込んで持ち去ってくれるので、自分では運び出せない量の残置物処理に最適です。
福島市には一般廃棄物収集運搬の許可を持つ業者が複数あり、市のウェブサイトでも許可業者一覧が公開されています。具体的な社名を挙げると、日東産業株式会社、三宝環境整備有限会社、フクシマライフサービスなど地元企業が名を連ねています。これら許可業者は正規の手続きを踏んで廃棄物を処理してくれるため安心です。
不用品回収業者に依頼する場合、まずは電話やウェブで見積もりを依頼しましょう。多くの場合無料見積もりを実施しており、スタッフが現地に来て残置物の量や内容を見た上で費用を算出してくれます。
見積もり額に納得できれば契約し、後日改めて回収作業となります(即日対応可能な業者もあります)。料金は処分する量(トラック何台分か)や大型家具家電の有無、作業人数・時間によって決まります。
目安として、軽トラック1台分の回収で1〜3万円、2トントラックなら5〜8万円程度が相場です。
実際、全国的な相場では軽トラ積み放題プランで8,000〜15,000円、2tトラック満載で25,000〜40,000円程度とのデータもあります。ただし残置物が家いっぱいにあるようなケースでは、大型トラック複数台・作業員数人で丸一日がかりとなり数十万円規模になることもあります。
※提示している料金相場はあくまで目安です。実際の料金は依頼する業者や現場の状況により変動しますので、複数の業者から見積もりを取るなどして最新情報をご確認ください。
見積もり段階で「何にいくらかかるか」を細かく確認し、不明瞭な点があれば質問しましょう。必要に応じて複数業者から相見積もりを取ると、費用とサービス内容の比較ができます。
業者を利用すれば、自分では分別困難な大量ごみでも一括で処理でき、搬出作業もすべて任せられます。短時間で家の中が空っぽになるため、時間を買うという意味で有効な手段です。
残置物の発生する状況として、親の家を相続したケースや高齢の親族が施設に入ったケースなど、遺品整理や生前整理に近いケースがあります。こうした場合には、単なる不用品処分だけでなく、故人の思い出の品の仕分けや供養などにも配慮が必要です。
そこで頼りになるのが遺品整理専門の業者です。福島市にも遺品整理士の資格を持つスタッフが在籍する専門業者がいくつかあります。
遺品整理業者に依頼すると、不用品回収と同様に家中の残置物を一括で片付けてもらえます。その際、形見分けしたい品や重要書類の探索もプロの目で丁寧に行ってくれるのが強みです。ゴミと見えても価値のあるものが混在していれば買い取ってくれる場合もあり、遺族に寄り添った対応をしてくれます。
費用は不用品回収業者と似ていますが、サービス内容が多岐にわたるぶんやや高めになることもあります。一般的な一軒家丸ごとの遺品整理で20〜30万円前後、部屋数や物量次第では50万円を超えるケースもあります。こちらも見積もり時に希望を細かく伝え、不要なサービスは省いてもらうなど調整すると良いでしょう。
高齢の方が亡くなった家を売却する際は、遺品整理業者に任せることで遺族の精神的負担も軽減できます。自分たちで片付けようとすると時間がかかり売却スケジュールが遅れることもありますが、業者なら短期間で整理が完了します。
また、業者によっては特殊清掃(孤独死などで部屋に臭い・汚染がある場合の清掃消毒)まで対応するところもあります。物件を再販可能な状態に近づける役割も果たしてくれるため、相続物件の売却時には積極的に検討したいサービスです。
残置物の中に、まだ新しく価値のある家電製品やブランド家具などがある場合、それだけを専門業者に買い取ってもらう方法もあります。リサイクルショップ買取と重なる部分もありますが、より専門性の高い買取業者(リユース業者)に個別に依頼するケースです。
例えば、ピアノや骨董品、美術品などは専門の買取店に査定してもらった方が高値が付きやすいでしょう。また、大量の古本やCD・レコードが残っている場合は古書店や専門業者にまとめて買い取ってもらうと処分と換金が同時にできます。
福島市近郊にも、出張買取専門の業者が存在します。電話一本で自宅まで来て査定・引取してくれる業者もあり、このような業者は不用品回収と買取の両方を行っており、「売れるものは買い取り、残りは有料で引き取る」といった柔軟な対応をすることが多いです。
たとえば中古家具が10点あるうち2点は高価買取、他8点は処分費用が発生という場合でも、一括して対応してもらえます。買取金額と処分費用を相殺してくれることもあり、依頼者の負担をできるだけ減らす工夫をしてくれる業者もいます。
高年式のエアコンや大型冷蔵庫などは、本来処分に費用がかかるものでも、需要があれば買取対象になります。動作品かどうかの確認や設置場所の環境(2階からの搬出は追加料金等)について事前に伝えておくと、当日の作業がスムーズです。
なお、買取業者にお願いするときは身分証の提示を求められます。中古品買取は法律で本人確認が義務付けられているためです。当日免許証などを準備しておきましょう。
業者に依頼する際の料金相場は上で述べた通りですが、もう一点、時間的な融通について触れておきます。自治体の粗大ごみ収集が予約制で数週間待ちであるのに対し、民間業者はスケジュールさえ合えば即日〜数日中に対応してくれます。
売却まで時間が無い場合、費用はかかっても業者に頼むメリットは大きいでしょう。また、家電リサイクル法対象品など自治体で扱えないものも、許可業者なら適切に処分してくれます。料金にリサイクル料が含まれる形で回収可能です。見積もりの段階で「エアコンや冷蔵庫もまとめてお願いできるか」を確認すると安心です。
一方で、業者利用時には悪徳業者に注意する必要があります。残置物処理の需要が高まる中、無許可で不用品回収を行う業者も存在し、中には不法投棄など問題を起こす例も報告されています。
無許可業者に依頼して廃棄物を不法投棄されてしまうと、依頼者であるあなたにも責任が及ぶ可能性があります。実際、廃棄物処理法では排出者責任が定められており、「頼んだ業者が勝手に捨てた」と言い逃れはできません。
最悪の場合、5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金という厳しい罰則が科されることもあります。こうしたリスクを避けるため、必ず自治体の許可を持つ正規業者に依頼しましょう。料金が極端に安すぎたり、「今ならトラック積み放題◯円」など街宣車で流している業者には警戒が必要です。
また、見積もりなしでいきなり作業を始め、高額な追加料金を請求するといった悪質なケースもあるようです。契約前に料金とサービス内容を書面でもらい、納得できない場合は断る勇気も持ちましょう。
ここまでは残置物を売却前に処分する方法を見てきました。しかし中には、「遠方で片付けに行けない」「処分費用すら捻出が難しい」といった事情で、残置物を片付けずに家を売りたいというケースもあるでしょう。
そんな場合に可能となるのが、残置物ごと不動産を買い取ってくれる業者や方法です。
この章では、残置物ありのまま売却する選択肢として、不動産買取業者への相談やリフォーム・解体前提で買主に処分を任せる方法について解説します。併せて、残置物が残った状態が売却価格に与える影響や、福島市の市場でのニーズについても触れます。
不動産買取業者とは、不動産会社が直接あなたの家を買い取り、後日リフォームや転売を行う形態の売却方法です。通常の仲介売却と異なり、買主(業者)がすでに決まっている状態なので、売却までのスピードが速く、煩雑な手続きを簡略化できるのが利点です。
この不動産買取業者の中には、「残置物はそのままでもOK」という条件で買い取ってくれるところがあります。実際、業界では「現状有姿(げんじょうゆうし)渡し」といって、掃除や片付けをしない現状のままで引き渡す契約も珍しくありません。
残置物あり物件は一般個人には売却しにくいのが実情です。居住用に家を探している普通の買主さんは、前所有者の荷物が山積みの物件を敬遠しますし、自分で処分する手間や費用を嫌がります。
そのため、片付けられない場合の受け皿として不動産買取業者に売るのが現実的と言えます。買取業者であれば購入後に自社で残置物を処分してリフォームし、再販売するのがビジネスモデルなので、「荷物ごと買い取ります」というスタンスなのです。
実際、全国展開する大手不動産買取会社の中にも「残置物は撤去不要です」と明言しているところがあります。例えばある企業の買取サービスでは「エアコンや照明などはそのまま残していただいた方が再販時に有利になることもあります」と案内されており、残置物をマイナスどころかプラスに捉えるケースすらあるようです。
買取業者に売却する際は、契約書に残置物を現状のまま引き渡す旨を明記してもらいましょう。こうしておけば、あとから「話が違う」というトラブルも防げます。
また、家の中に現金や貴重品が紛れ込んでいる可能性がある場合は、売却前にしっかり探索しておきます。基本的に残置物はすべて業者側で廃棄処分されますので、取り戻したいものが後から見つかっても手遅れになるためです。
福島市でも、古い空き家や老朽家屋を買取再生している不動産会社があります。地域の不動産屋さんに相談すると、「このままでも買いますよ」という会社を紹介してもらえる可能性があります。
特に昨今は空き家問題への対応で、行政と連携して空き家買取・再活用を進める事例も増えています。
残置物の処分費用は買取業者が負担する形になりますが、その分は買取価格に反映される(低く見積もられる)ことは理解しておきましょう。とはいえ、自身で処分に何十万円もかかる場合には、その費用負担をしなくて済むだけ買取の方がメリットが大きいケースもあります。
もう一つの方法は、不動産業者に限らず、買主がリフォームや解体を前提として購入する場合に、残置物ありのまま引き渡す交渉をすることです。
例えば購入希望者が「この家は古いので購入後に全面リフォームするつもりだ」というケースでは、「不要な家具は置いて行ってもらって構わない」という合意が取れる場合があります。
また、土地目的で家を買い、建物は取り壊す予定の買主であれば、残置物もまとめて解体業者に撤去させることが可能です。その場合、売主が無理に片付けずとも済むわけです。
注意点として、買主個人とこうした残置物引受けの合意をする場合は、必ず契約書にその旨を盛り込んでください。口頭だけでは後々「やはり全部片付けて引き渡してほしい」と言われかねません。
契約書には「本物件は現況有姿のまま引き渡す。残置動産の処分は買主負担とする」といった文言を入れておくと安心です。さらに、残置物の中に貴重品や危険物が含まれる場合の取り扱い(買主が処分する際に必要な協力を売主がする等)も明記しておくと親切です。
リフォーム前提で購入するケースでは、むしろ残っていた方が助かる設備もあります。前述したエアコンや照明はその典型例で、買主が再利用できるなら処分の手間が省けます。
逆に汚れた布団や衣類など明らかなゴミは、買主も欲しくないでしょうから、最低限の整理はしておいた方が印象は良くなります。全く手付かずのゴミ屋敷状態ですと、個人の買主にはさすがに敬遠されがちなので、買主がつきやすいレベルまで減量しておくのがおすすめです。
解体前提の場合は、解体業者に建物の中身も含めて処分してもらうことになります。ただし解体費用は中の残置物量によって変動します。家財道具が空っぽの家と、家具やゴミが満載の家では、後者の方が追加の廃棄物処理費がかかり解体費用も高く見積もられます。
買主がその解体費用を負担する以上、購入価格をその分下げてくる可能性が高いです。最終的な手取り額を考えると、売主自身である程度片付けておいた方が高く売れるか、全部放置でもあまり変わらないかはケースバイケースです。もし手間をかけずに済ませたいなら、その代償として多少安く売れることは受け入れる必要があるでしょう。
残置物の有無は、不動産の売却価格や売れやすさに影響します。一般的に、残置物が無いきれいな空家の方が買主の心理的抵抗が少なく、内覧時の印象も良いため高値で売れやすいです。
一方、残置物だらけの物件は買主層が限られ、価格交渉でも弱い立場になります。
例えば、処分費50万円かかると見込まれるなら、買主は少なくともその額を値引きするか、売主が処分してから渡してほしいと思うはずです。
実質的に残置物の処分コスト分は値引き要因になると考えてよいでしょう。
最後に、残置物処分にかかる費用と時間の目安をまとめておきます。不動産売却の全体スケジュールの中で、処分作業をいつ・どのくらい行うか計画を立てる参考にしてください。
自力処分の場合、自治体の粗大ごみ収集・持ち込みは基本無料です(ただし指定ごみ袋や運搬にかかるガソリン代など僅かな実費は発生)。
リサイクルショップ等に売ればむしろプラス収入になります。寄付や譲渡は送料や交通費程度で済みます。業者依頼の場合、前述の通り数万円〜数十万円と幅があります。
1K程度の荷物なら1〜5万円、ファミリー世帯の家財一式なら5〜20万円、ゴミ屋敷状態では30万円以上を見込んでおきましょう。遺品整理業者だと供養代などがプラスされる場合もあります。買取業者への売却の場合、直接的な処分費用負担はありませんが、売却価格から処分コスト相当分が差し引かれると考えられます。
例えば買取価格1,000万円の家でも、残置物無しなら1,050万円で売れたかもしれない、といった機会損失的なコストです。その分を割り切って「手間が省けるならOK」と考えられるかがポイントです。
方法によって大きく異なります。自治体粗大ごみ回収は電話申込から収集までおよそ3週間。複数回に分ける場合さらに時間がかかります。自己搬入は自分の都合の良い日に持ち込めますが、作業時間として半日〜1日つぶれることもあります。
少しずつ通常ごみで処分するなら、週1〜2回の収集日に合わせ数週間〜数ヶ月かけて処理するイメージです。リサイクルショップ買取は、出張査定から引取まで数日〜1週間程度でしょう。
大型チェーンだと予約が混み合うこともありますが、地元店なら即日対応も期待できます。寄付・譲渡は相手次第ですが、ジモティーで近所の人が見つかれば当日〜数日以内、宅配寄付だと発送や仕分けに1〜2週間見ておきましょう。
業者依頼の場合、不用品回収業者は問い合わせから見積もり訪問まで即日〜3日程度、契約後の回収作業は半日〜1日で完了することが多いです。スケジュールが合えば依頼した翌日に一気に空っぽ、なんてこともあります。
遺品整理業者も同様ですが、規模によっては数日間かけて丁寧に仕分け作業をするケースもあります。不動産買取の売却は、問い合わせから契約まで1〜2週間、決済までも1ヶ月以内という迅速さが一般的です。
残置物の片付け工程そのものが無いので、その分早く現金化できます。ただし買取業者と価格交渉などで折り合いがつかなければもっと長引く場合もあります。
一般的な不動産売却(仲介で個人に売る)では、売却活動前または買主と契約を結ぶ前に、残置物の処分計画を立てておく必要があります。
理想を言えば、売却広告を出す時点で家の中を整理しておくと内覧対応がしやすく、高く売れやすいです。しかし時間や費用の都合で難しければ、売買契約から引渡し完了までの間に処分する段取りを組みます。
通常、売買契約から物件引き渡しまでは1〜2ヶ月程度あります。その間に粗大ごみの回収日程を押さえる、業者の予約を入れるなどし、引渡し日までに全撤去できるよう逆算しましょう。自治体収集では間に合わない量が残ると判断したら、迷わず業者に切り替える柔軟さも必要です。
もし売却活動中に残置物がある程度残っている状態でも、内覧時に「引渡しまでに売主負担で撤去します」と説明すれば問題ありません。ただし契約段階でその約束を明文化すること(契約書に記載)が重要です。
逆に「残したまま引き渡す」合意をする場合も同様です。いずれにせよ、処分にかかる日程は余裕を持って確保し、ギリギリになって慌てないよう計画しましょう。
以上、福島市で不動産を売却する際の残置物処理について、方法ごとのポイントを解説しました。最後に要点を整理します。
・自力処分は費用負担が軽く済みます。福島市の粗大ごみ回収やクリーンセンター持ち込みを活用し、使える物はリサイクルショップや譲渡で再利用しましょう。時間と体力に余裕があれば分別解体でほとんど無料で片付けることも可能です。
・業者依頼は費用はかかるもののスピーディーで確実です。信頼できる不用品回収業者や遺品整理業者に任せれば短期間で家財を一掃できます。料金相場を参考に予算を検討し、悪徳業者に注意して選びましょう。
・残置物ありのまま売却したい場合、不動産買取業者なら荷物ごと買い取ってもらえます。一般の買主でも交渉次第では現状渡しが可能です。ただしその分価格は低く抑えられる傾向があります。
・費用と時間は方法によって大きく異なります。自治体サービスは安いが時間がかかり、業者は高いがお急ぎに対応できます。自身の状況(物量・予算・スケジュール)に合わせて最適な方法を組み合わせることが重要です。
・どの方法が自分に最適かは、残置物の量と種類、予算、そして売却までの残り時間で判断しましょう。体力的に難しければ迷わず業者、費用を極力節約したければ自力処分を中心に、とメリハリをつけます。中間策として「買取れるものは業者に買い取ってもらい、残りは自分で粗大ごみに出す」などミックスするのも賢い方法です。
残置物の処理がスムーズに進めば、不動産売却は一気に現実味を帯びます。空になった家は買い手にも好印象を与え、良い条件で売却できる可能性が高まります。ぜひ早めに行動を開始し、計画的に進めてください。
もし福島市での不動産売却に関して相談したいことがあれば、当社株式会社WIREDへお問い合わせください。
福島市に強い不動産売却専門の不動産会社として、これまでに1200件以上のお取引実績で得た豊富なノウハウを元に、お持ちの不動産のベストな売却方法を、真摯に丁寧にご提案させていただきます。