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空き家の処分方法3選|損せずスムーズに空き家を処分するコツを解説

空き家の処分方法3選|損せずスムーズに空き家を処分するコツを解説

「使い道のない空き家を処分したい」
「不動産を相続したが空き家となっている」

 

このような状況であれば、早く空き家を処分することをおすすめします

 

日本の高齢化が進み、不動産購入を行う若い働き世代が減少することで、必然的に不動産流通は鈍化し、資産価値の低いエリアの空き家は処分が困難になっていくからです。

 

実際、総務省統計局「平成30年住宅・土地統計調査 住宅数概数集計 結果の概要」で、平成30年の空き家数は846万戸となり、空き家率は13.6%と過去最高の数値となっています。

 

空き家市場が飽和するとますます空き家の処分が難しくなるため、使い道のない空き家を所有しているのであれば、少しでも早く解決の道を決めてかたをつけるのが得策です。

 

そこで本記事では、空き家の処分方法として次の3つを紹介します。

空き家の処分方法3つ

どの方法にすべきかはケースバイケースですが、向いているケースや自分に合った判断基準について解説しているので、最後まで読めば自分に合った空き家の処分方法で解決できるはずです。

 

また、空き家を処分する際に利用できる支援制度や特例、スムーズな空き家の処分を実現する不動産会社の特徴についても解説しています。

 

知らなければ損をしたり、空き家の売り時を逃したりする可能性があるため、「できるだけ空き家処分にかかる費用負担を減らしたい」「信頼のおける不動産会社にお願いしたい」という人は、ぜひ参考にしてよりお得かつ確実に空き家を売却してください。

 

本記事を読むと実現できること
・空き家の処分方法がわかり、自分に合った方法を選べる
・空き家を処分する際に利用できる支援制度や特例がわかる
・不動産会社を選ぶ際の判断基準がわかり、スムーズな空き家の処分を実現できる

 

 

1.【空き家の処分方法①】建物を残したまま売却

空き家を残したままで売却

まず紹介するのが、建物を残したまま売却する方法(現状引き渡し)です。売主側の手間や負担がかかりにくいため、現状引き渡しは、空き家におけるもっとも一般的な処分方法とされています。

 

1-1.建物を残したまま売却する3つのメリット

現状のまま引き渡す処分方法のメリットは、次の3つです。

建物を残したまま売却するメリット

以下で詳しく解説します。

 

1-1-1.すぐに売却活動をスタートできる

1つ目のメリットは、すぐに空き家の売却に取りかかれることです。

 

売却をスムーズに行えなければ、それだけ老朽化が進み、維持・管理コストもかかります

 

特に建物は、年数を重ねるほど価値や評価が下がりやすい傾向です。値がつく間に売るほうが利益も大きくなるため、「少しでも高く売りたい」「早く処分してしまいたい」と考えるのであれば、すぐに売却活動をスタートできる「建物のまま売却する処分方法」を選ぶようにしましょう。

 

家の状態が良ければ「中古物件」、空き家の老朽化が進んでおり住める状態ではないケースや修繕・リフォームが必要なケースには「古屋付き土地」として売却するのがおすすめです。

 

1-1-2.解体費用がかからない

2つ目のメリットは、解体しないため、その費用を用意する必要がないということです。

 

解体するとなると、その費用をキャッシュで用意する必要がありますが、現状のまま引き渡しをすれば、解体費用は不要です。

 

現状引き渡しで買主が見つかれば、逆に対価となるお金を得られるため、「できるだけコストをかけたくない」という場合には、建物を残したままの売却を検討しましょう。

 

1-1-3.固定資産税・都市計画税の増額を防げる

3つ目のメリットは、建物のまま売却するほうが、売却するまでの期間に生じる税金を節税できるという点です。

 

不動産を所有すると「固定資産税」「都市計画税」という税金がかかりますが、土地の利用用途が住宅で、建物が立った状態であれば、特例制度により土地にかかる税金の軽減措置が受けられます

建物がある場合の特例

解体して更地にすると特例が適用されなくなり、固定資産税や都市計画税が大幅に増額されてしまうため、空き家を処分するまで節税対策をしたい場合には、建物をそのままの状態で売却するようにしましょう。

 

1-2.建物を残したまま売却する3つのデメリット

現状のまま引き渡す処分は、メリットだけではありません。次の3つは、売主にとってデメリットとなる可能性があります。

建物を残したまま売却するデメリット

どのような点がデメリットと言えるのか、見ていきましょう。

 

1-2-1.買主が見つからない可能性がある

1つ目のデメリットは、家屋の状態や設備、スペックなどが要因で、買い手がつきにくくなる可能性があることです。

 

あなたがどれだけ住みやすい間取りで、高スペックな設備が整っている空き家だと思っていても、買主が同じように魅力的だと考えるとは限りません。特に、建て替えや注文建築などを検討している人にとっては、現状引き渡しだと解体する費用や時間のロスが生じるため、大きなデメリットとなる可能性があります。

 

1-2-2.修繕・リフォームが必要になる場合がある

2つ目のデメリットは、家屋の状態によって修繕やリフォームが必要になることです。

 

どこまで修繕やリフォームをするかはケースバイケースですが、空き家を引き渡した後に、雨漏りや給湯器の破損などの建物や設備の不具合が見つかると、買主から契約不適合責任を問われる可能性があります。契約不適合責任とは、契約の内容と異なる(適合しない)場合に売主が買主に対して負う責任のことです。

 

売主が知らなかった(把握していない)場合でも、売った後に不備や不具合が発覚すると、売主の責任となります。そのため、住める状態で売ることを考えるのであれば、事実確認を行い、把握した問題箇所は修繕・リフォームして売るのもひとつの選択肢です。

 

ただし、買主自身が建て替えやリフォームを検討している場合もあります。その場合、経年劣化による雨漏りや設備の破損など、今後問題となりそうな部分があっても、事前に売主に伝えて了承を得られれば、不備がある状態でも売却することが可能です。

 

どちらのケースが良いかは一概には言えないため、信頼のおける不動産会社を見つけ、アドバイスをもらうと良いでしょう。

 

1-2-3.解体費用分だけ値引きが必要になる場合がある

3つ目のデメリットは、解体費用分の値下げが必要になる可能性があるということです。

 

現状のままでは住めない「古家付き土地」として売却する場合、古家の解体は買主側が行うことになります。そのため、相場価格から解体費用を差し引いた価格設定をするのが一般的です。

 

建物の構造や広さによりますが、一般的な木造建築でも解体するのに150~200万円ほどの費用がかかるため、高く売りたいと考える人にとってはデメリットと言えるでしょう。

 

1-3.建物を残したままの売却が向いているケース

以上のメリット・デメリットを踏まえると、次のようなケースは「建物を残したまま売却する」が向いていると言えます。

 

▼建物を残したままの売却が向いているケース

・空き家に破損や設備の不具合がなく外観もきれいで、部分的なリフォームを行えば住める状態
・市街化調整区域に指定された土地
・売却価格よりも解体費用のほうが高くなる場合
・築年数が浅い(築20年以内が目安)

 

外観がきれいであれば、内装を手直しするだけで住むことができるので、「内装を自分好みの家にリフォームしたい」「建て替えやフルリフォームほどの予算がないため、部分的なリフォームして住める家を探している」といった購入者を見つけられる可能性があります。

 

市街化調整区域に指定された土地も、建物を取り壊すと新築の家を建てられないため、建物を残したままの売却がおすすめです。古い家の場合、売却価格よりも解体費用のほうが高くなるというケースも少なくないため、その場合は古家付き土地として売るようにしましょう。

 

ただし、築年数が浅くても高齢化が進んでいる地域や建物の老朽化が進んでいる場合、住宅の需要が少ない傾向です。売却までに時間がかかるケースは、不動産会社に直接売却する(買取してもらう)などの選択も検討しましょう。

 

不動産会社の買取は、早く買い取ってもらえるというメリットがあります。一方で、需要が少ない地域は買い取ってもらえないケースがあり、売却価格も相場より2~5割ほど下がってしまうというデメリットがあるという点には注意が必要です。

 

1-4.「建物を残したまま売却」の一般的な手続きにおけるポイント

空き家を現状のまま売却する場合の流れは、以下の通りです。

建物を残したまま売却する流れ

空き家のまま現状引き渡しする場合、一般的な不動産の売却と同様に、不動産会社に仲介を依頼して売却するのが一般的です。

 

1-4-1.不動産会社の査定が特に重要

不動産会社のネットワークや売り出し方で、スムーズに売却できるかが大きく左右されるといっても過言ではありません。そのため、実績豊富できめ細かな対応が期待できる不動産会社を見つけることがとても重要です。

 

空き家を売却する際には、必ず複数の不動産会社へ査定を依頼してください。複数へ査定依頼することで査定額がつり上がり、より良い条件で売却できる可能性が高くなるためです。

 

ただし、その査定額となった根拠が明確かどうかには注意が必要です。売主にとっては、高額な査定額は嬉しいものですが、中には悪質な不動産会社もいます。自社と契約してほしくて高額な査定額を提示しているだけというトラブルも少なくないため、査定額の根拠は特に注意してしっかりと確認しましょう。

 

1-4-2.相続した空き家の場合は相続登記が必要

信頼できる不動産会社が見つかったら、買主を不動産会社に探してもらうための媒介契約を結び、売り出し価格を決めたら売却活動スタートです。

 

ただし、相続した空き家を売却する場合には、遺言書の有無を確認し、相続登記(所有者の名義変更)が必要です。相続した不動産の売却については、「相続不動産の売却手順を解説!知らないと損する特例と依頼先の選び方」の記事をご覧ください。

 

 

2.【空き家の処分方法②】更地にして売却

更地のイメージ

次に紹介するのが、同じ売却でも買主が建物を取り壊して更地にし、土地として売却する方法です。解体の費用と時間がかかりますが、活用しづらい状態の古家がなくなることで、より早く買主を見つけられる可能性があります。

 

2-1.更地にして売却する2つのメリット

空き家を取り壊し、更地にして売却するメリットとしては、次の2つがあげられます。

更地売却のメリット

ひとつずつ見ていきましょう。

 

2-1-1.古い空き家は更地にしたほうが買主が見つかりやすい

1つ目にメリットは、空き家が古い場合、そのまま売却するよりも更地にするほうが買主が見つかりやすいことです。

 

更地であれば、住宅だけでなく駐車場や家庭菜園など、別の活用方法も可能となり、住居用の土地を探している人以外の購入者が見つかる可能性があります。

 

買主が解体するとなると建設前に解体費用も準備しなければなりませんが、更地になっていれば、買主は解体費用を捻出する必要がありません。予算面でも、更地状態のほうが比較的お得と感じてもらいやすいことから、早く売れる可能性もあるでしょう。

 

2-1-2.建物の瑕疵(かし)に関するトラブルがない

2つ目のメリットは、先ほど「建物を残したまま売却する」のデメリットで触れた、建物の瑕疵に関するトラブルを避けられることです。

 

建物を壊して更地にしてしまえば、売却後に建物に関する不具合や設備不良などで契約不適合責任を問われる可能性がないことも大きなメリットと言えるでしょう。

 

2-2.更地にして売却する2つのデメリット

更地にして売却する場合にも、次のようなデメリットがあります。

更地売却のデメリット

以下で詳しく説明します。

 

2-2-1.建物がなくなることで固定資産税・都市計画税が高くなる

デメリット1つ目は、建物がある場合に比べて固定資産税や都市計画税の支払い金額が高くなることです。

 

1-1-3.固定資産税・都市計画税の増額を防げる」でお話しした通り、固定資産税や都市計画税は、土地の上に建物が建っていると減税の対象となります。

 

更地にしてしまうと、減税措置の適用外となり、一般的なケースの場合、固定資産税の価格は約6倍、都市計画税も約3倍の価格に跳ね上がるため、慎重な判断が必要です。

 

更地にしてから土地が売れるまでの間の固定資産税や都市計画税は、売主が支払います。活用方法が広がり、買主も見つかりやすいというメリットはありますが、ケースバイケースです。

 

売却できなかった場合、高額な税金を払い続けることになるため、更地のほうがニーズがあるという立地以外は、更地にしての売却はおすすめできません

 

2-2-2.売却前に解体費用を用意する必要がある

2つ目のデメリットは、売却前に空き家の解体や整地の費用を捻出する必要があることです。

 

一般的な木造建築の解体費用は、約150~200万円が相場となっています。解体などにかかった費用を販売価格に加算して売るとしても、売主は先に解体費用を準備しなければなりません。

 

また、解体後には建物滅失登記が必要で、その手続きを自分で行わず、司法書士などに依頼するとなると、報酬として数万円の費用負担も発生します。

 

もし解体費用の捻出が難しい場合は、買主が見つかり、売買契約を締結した後に解体して売却する方法(更地渡し)を検討しましょう。

 

更地渡しなら解体費用を事前に準備する必要がなく、買主から売主に支払われる売買代金から解体にかかった工事費用を売買経費として支払うことができるため、事前に費用を用意する必要がなくなります。

 

2-3.更地にして売却するのが向いているケース

更地にして売却するメリット・デメリットから、次のような人は空き家を取り壊してから売るのがおすすめです。

 

▼更地後に売却するのが向いているケース

・建物が古く、耐震性に心配がある場合
・老朽化が進んでおり、建物の状態を維持するのが難しい場合
・更地にして売るほうが利益が出る可能性が高い場合

 

「住める状態ではない」という場合は、建物を残しておいても売れ残ってしまう可能性があります。買主に良い印象を持たれない建物であれば、解体して売り出すのも選択肢のひとつです。

 

特に、昭和56(1981)年6月以前の建物は、耐震関係基準が大幅に強化される前であるため、耐震基準を満たしていない建物が多く見られます。

 

耐震基準を満たしていない場合、買主側は「住宅ローン減税」という税金の優遇措置を受けられないため、敬遠されがちです。そのため、現状引き渡しではなかなか買主が見つからないかもしれません。

 

また、長年空き家で建物や塀、庭木などの維持管理ができておらず、隣家とトラブルになっているようなケースも売却活動が長期化しやすい傾向です。

 

建物の解体には、固定資産税の増額といったデメリットがあるため、慎重な判断が必要ですが、「古家付き土地を更地にして売却したらすぐに売れた」というケースは少なくありません。

 

周辺環境から住宅用地だけでなく、駐車場などのニーズが見込める場合には、更地にして「新築を建てたい人」以外の購入者もターゲットとした販促活動に切り替えるのもひとつの手です。

 

ただし、更地にすべきかの判断は、素人では難しいでしょう。そのため、迷う際には不動産会社に相談し、過去のデータを踏まえたアドバイスを聞いてから検討すると、失敗を防ぎやすくなります。

 

2-4.「更地にして売却」の一般的な手続きにおけるポイント

建物を取り壊し、更地にして売却する場合、以下のような手順で手続きを進めます。

更地売却の流れ

建物を残した状態での売却との違いは、更地にしてから建物滅失登記を行う必要がある点です。

 

先ほどもお伝えした通り、更地にして売却すべきかは素人では判断が難しいため、まず信頼できる不動産会社へ相談し、「更地にして売却すべき」という結論が出てから、解体業者を探しましょう

 

2-4-1.解体工事前にやるべきこと|ライフラインの停止や撤去

解体業者が決まり、実際に解体する段階に入ったら、ライフラインの停止やインターネット回線の撤去、近隣住民へ解体工事をすることを伝えるといった対応が必要です。

 

基本的には、解体業者が電気やガスなどのライフラインの停止や解体工事届、道路使用許可、解体工事による近隣住民などへの事前あいさつなどを行ってくれますが、ケーブルテレビやインターネット回線の解約や撤去は、売主自身で行わなければならないケースが多い傾向です。

 

そのため、業者側と売主側の対応範囲をしっかりと確認し、対応するようにしましょう。

 

2-4-2.解体工事後にやるべきこと|建物滅失登記

解体が完了すると、法務局で建物滅失登記を行います。

 

建物滅失登記は、解体完了から1か月以内が期日です。建物滅失登記が終わっていないと、土地を売却できないだけでなく、解体したはずの建物に対する固定資産税が発生したり、買主が新築する際に建築許可が下りなかったりしてトラブルの原因となるため、必ず期日までに法務局で手続きを行いましょう。

 

ここまでの手続きが完了したら、通常の不動産売却と同じように不動産会社の査定を受け、媒介契約を結んでから土地の売却をスタートします。

 

なお、建物滅失登記の手続きに必要な書類は、法務局のHPから取得可能です。自分自身での手続きが難しい場合は、解体業者や土地家屋調査士などへ代理手続きしてもらえないか相談しておきましょう。

 

建物滅失登記に関する提出書類については、法務局の詳細ページをご確認ください。

法務局「建物を取り壊した/建物を新築した

 

 

3.【空き家の処分方法③】第三者に無償譲渡して処分

第三者に無償譲渡するイメージ

空き家処分の方法のひとつに、第三者への無償譲渡があります。言葉の通り、無償(タダ)で空き家を譲ることです。「空き家周辺の地権者や親族、知人などに譲る」「不動産会社へ無償譲渡する」などの方法で、空き家を処分することができます。

 

3-1.第三者に無償譲渡して処分する3つのメリット

無償譲渡によるメリットとしては、次の3つがあげられます。

不動産を無償譲渡するメリット

以下で詳しく解説します。

 

3-1-1.売却できない物件も無償なら引き取り手が見つかりやすい

無償で譲渡する大きなメリットは、なかなか買主が見つからない物件も無償ならほしいという人が見つかりやすいことです。

 

空き家は、「管理されていない」「築年数が経っている」「立地が悪い」といったマイナスな条件がそろいやすく、買主がなかなか見つからないというケースが少なくありません。しかし、買主が現れにくい条件がそろっていても、購入費用がかからないのであれば、その分の費用を建て替えやリフォームの費用に充てられるため、譲渡を希望する人が見つかりやすくなります。

 

3-1-2.維持管理コストや税金の負担がなくなる

無償譲渡における2つ目のメリットは、空き家を所有することでかかっていた維持管理コストや固定費がかからなくなるという点です。

 

空き家は、住んでいなくても次のような費用がかかります。

 

▼空き家を所有することでかかる主な費用

固定資産税・都市計画税 10~15万円
水道光熱費
(月額基本使用料のみ)
年間2万円前後
保険料
(火災保険・地震保険など)
3~10万円
修繕費 数万~数百万円
維持費
(庭木の剪定、豪雪地帯の雪下ろしなどを業者に依頼した場合)
数万~数十万円

 

空き家の維持管理は、想像以上に労力も時間もかかります。空き家状態が長期化するほど負担も大きくなる一方です。売れない空き家を所有し続け、これらのコストを支払い続けるくらいであれば、無償譲渡をして早く処分するほうが良いでしょう。

 

3-1-3.仲介手数料がかからない

無償譲渡におけるメリットの3つ目は、仲介手数料がかからないということです。

 

通常の売却では、不動産会社の仲介で売買契約が成立すると、報酬として仲介手数料を支払う必要があります。

 

仲介手数料は、取引に応じて金額が異なり、売買価格が高いほどそれに比例して仲介手数料も高くなりますが、不動産会社を経由せず、売主と買主が直接取引を行えば、不動産会社を介さずに手続きを完了できるため、無償譲渡すれば仲介手数料が不要です。

 

仲介手数料は、不動産売却にかかる費用の中でも大きなウエイトを占めるため、その費用がかからない点は無償譲渡の大きなメリットと言えるでしょう。

 

3-2.第三者に無償譲渡する2つのデメリット

第三者への無償譲渡は、売主と買主の両方にメリットがある空き家の処分方法ですが、次の2つのようなデメリットもあります。

不動産を無償譲渡するデメリット

ひとつずつ見ていきましょう。

 

3-2-1.譲渡することで税金がかかる可能性がある

1つ目のデメリットは、不動産の無償譲渡により自分(売主)や相手(買主)に税金が発生する可能性があることです。個人対個人、個人対法人といった取引の組み合わせによって、売主・買主にかかる税金が異なります。

 

取引の組み合わせ 売主
(無償譲渡する側)
買主
(無償譲渡で不動産を引き取る側)
個人から個人 非課税 贈与税
(贈与に該当するため)
個人から法人 みなし譲渡所得税
(時価で売却したものとみなされるため)
※時価が取得費を下回る場合は不要
法人税
(価値あるものを無償で譲り受けたため)
法人から個人 法人税
(時価で売却したものとみなされるため)
※時価が取得費を下回る場合は不要
所得税
(価値あるものを無償で譲り受けたことで、一時所得が発生したため)
法人から法人 法人税 法人税

 

自分は非課税なのに、無償譲渡で空き家を譲り受けた側には税金がかかるケースなどもあり、個人間トラブルとなることがあります。無償譲渡する場合も、個人間で取り決めを行い、贈与契約書などの書面を残しておくと安心です。

 

後々のトラブルを防ぎたいのであれば、あらかじめ目的に応じた専門家を交えて話を進めるのもよいでしょう。

 

・契約書に関する相談:司法書士
・税金に関する相談:税理士
・契約上のトラブルに関する相談:弁護士

 

数万円程度の費用はかかりますが、「こんなはずではなかった」という事態を防げるでしょう。

 

3-2-2.契約不適合責任を負う可能性がある

2つ目のデメリットは、無償譲渡後に、事前に伝えていなかった瑕疵が見つかった場合、売主が契約不適合責任を問われる可能性があることです。

 

不具合・設備の不良といった瑕疵を隠して譲渡した場合や、譲渡当時に把握していなかった瑕疵が見つかると、買主は売主に対して修理の費用負担や損害賠償などを請求することができます。

 

責任を問われると売主はその責任を果たさなくてはならなくなるため、費用負担が増える可能性もあります。無償譲渡の場合も物件に関する不備などは書面等で事前に伝え、契約不適合責任の適用期間についてもしっかりと話し合っておくことが重要です。

 

3-3.第三者に無償譲渡するのが向いているケース

売れない空き家が処分しやすくなる第三者への無償譲渡ですが、メリット・デメリットを踏まえると、次のような人に向いています。

 

▼第三者に無償譲渡するのが向いているケース

・空き家の活用方法がない
・立地・条件的に売れづらい
・売れるまでの間にかかる費用の負担を今すぐに解消したい

 

駐車場や取り壊して賃貸にするなどの活用方法がなく、接道の基準的に再建築も難しいといった立地・条件的に売れづらい状況であれば、無償譲渡で空き家を処分するのもひとつの解決策と言えます。

 

所有し続けることで経済的な負担も大きくなるため、税金や諸費用を軽減するために無償譲渡を選ぶという人も少なくありません。

 

一度、不動産会社に相談し、中古物件や古家付き土地での売却はもちろん、更地にしても売却は難しいと判断される場合は、無償譲渡も視野に入れ、検討することをおすすめします。

 

3-4.「第三者に無償で譲渡する」の一般的な手続きにおけるポイント

空き家を無償譲渡する場合、空き家を譲渡したい人と探している人を引き合わせてくれるマッチングサイトや、全国の自治体が運営する「空き家バンク」などに空き家情報を登録し、希望者(引き取り手)が見つかったら当事者間で直接交渉して譲渡するのが一般的です。

 

手続きの流れは、利用するサービスによって異なるため、相談した際に確認するようにしましょう。

 

3-4-1.空き家の引き取り手をスムーズに見つけることが重要

スムーズに空き家を処分するためには、引き取り手を見つけなければなりません。引き取り手を探す主な方法としては、次の3つがあげられます。

 

空き家の引き取り手を探す方法 特徴
空き家専門のマッチングサイトや空き家バンクを活用する ・空き家の物件情報を掲載し、引き取り希望者とのマッチングを図るサイト
・公的機関が運営するマッチングサイトから、無償譲渡の不動産を専門に扱う企業のマッチングサイトなどがあり、空き家を探している人の目に留まりやすい
空き家の取引を得意とする
不動産会社へ依頼する
・空き家の売却実績が豊富で、難あり物件の売却に対するノウハウがあるため、譲渡先を見つけやすい
・不動産会社を通すことで仲介手数料がかかる
市区町村に相談する ・空き家所有者と譲渡希望者の両方の無料相談を行っており、空き家紹介にも力を入れている
・自治体と提携している専門家(不動産や建築、法律など)を紹介してもらえる

 

コストをかけずに早く引き取り手を探したいという人は、空き家専門のマッチングサイトや空き家バンクがおすすめです。空き家を探している人が訪れやすく、買主のニーズとマッチすればスムーズな無償譲渡が実現できる可能性があります。

 

無償譲渡における手続きのサポートも希望する場合には、空き家の取引を得意とする不動産会社へ依頼しましょう。過去の類似物件やノウハウを活かした販促活動が期待できるため、無償譲渡先も早く見つかるかもしれません。

 

近くに空き家の売却を得意とする不動産会社がなければ、市区町村に相談し、専門家を紹介してもらうのもひとつの解決策です。空き家対策に力を入れる自治体は多く、無料の相談窓口を設けているケースがよく見られるため、相談先で悩む人は市区町村に相談することから始めましょう。

 

「空き家バンク」とは自治体が主体となって運営する空き家情報サイト
空き家バンクは、全国の自治体が主体となり、空き家の賃貸・売却を考える所有者から提供された情報を集約し、空き家を探している人に紹介する制度です。

民間の不動産会社と違って、営利目的ではなく地域への定住を促す狙いがあるため、相場よりも比較的安い価格が設定されているケースが多く見られます。

そのため、高く売りたい人にはあまり向いていませんが、「売れない空き家を処分したい」「無償でいいから空き家の引き取り手を見つけたい」という人は、「空き家バンク」に登録して空き家を処分することも考えてみると良いかもしれません。

 

3-4-2.無償譲渡の際には贈与契約書を締結しておこう

空き家の譲渡先が見つかったら、手続きを進めることになりますが、無償譲渡の手続きにおいて最も重要なのが、贈与契約書(無償譲渡契約書)の作成です。

 

3-2-1.譲渡することで税金がかかる可能性がある」でもお伝えした通り、譲り渡す側(売主)は税金がかからないのに、引き受け手(買主)側は税金がかかるというケースがあります。

 

不動産は有益な資産ですが、誰も買わない空き家は負の遺産です。一度は引き取ってもらったものの、「やっぱりいらない」「瑕疵が発見されたから、修繕してほしい」など、後から返還されたり、費用負担を求められたりする可能性もあります。

 

いちから空き家の引き取り手を探すとなると大変なので、無償譲渡でも契約を締結し、返還できないことや契約不適合責任の期間などを明確にしておくほうが無難です。

 

特にお金に関することは、しっかりと話し合っておくべきです。無償譲渡であっても所有権移転登記手続きもしくは名義変更の登記をしなければなりません。

 

登録免許税や手続きを司法書士に依頼した場合の報酬など、どちらが負担するのかを話し合っておくこともとても重要です。

 

もし、引き取り手が「費用がかかるなら、いらない」となるようなら、「空き家をもらってもらえる」という気持ちを持ち、売主であるあなたが費用負担をするほうがよいかもしれません。

 

 

4.空き家の処分方法で迷った時の判断基準

空き家処分に迷ったら

空き家を処分する方法として、「建物を残したまま売却(現状引き渡し)」「更地にして売却」「第三者に無償譲渡して処分」の3つを紹介しましたが、結局どれがいいのだろうと迷われた方もいると思います。

 

そのような場合には、以下を参考にして、自分に合った空き家の処分方法を選んでみてください。

空き家処分のフローチャート

それぞれもう少し詳しく解説します。

 

4-1.空き家が住める状態なら「建物を残したまま中古物件」として売却する

「築20年以内」「リフォームしている」など、建物の状態が良く、まだ住める空き家であれば、建物を残したまま「中古物件」として売却するのがおすすめです。

 

なぜなら、築年数が浅いほど建物の価値や評価が高く、建物付きで高く売れる可能性があるからです。

 

築20年はあくまでも目安ですが、築年数が古いと「住宅ローン控除を受けられない」「大がかりな修繕やリフォームが必要になりやすい」など、買主側のデメリットが増えます。

 

特に住宅ローン控除は、築20年までの物件が基本とされているため、「築20年以内の住める家」というのはひとつの基準と言えます。

 

4-2.築20年以上の劣化が進んでいる空き家なら「建物を残したまま古家付き土地」もしくは「不動産会社の買取」で売却する

「築20年を超えている」「空き家として長期間放置されていた」「住むにはフルリフォームが必要」といった劣化が進んでいる建物の場合には、建物を残したまま「古家付き土地」として売却しましょう。

 

買主がなかなか現れないときは、不動産会社による買取を検討するのもひとつの方法です。

 

ただし、買主は、古家を解体もしくは構造はそのまま残したフルリフォームなどをしなければならないため、次に紹介する更地状態で売るよりも売却価格が下がりやすいという点には注意が必要です。

 

4-3.住宅用地以外の活用ニーズがあるなら「更地」にして売却する

「倒壊の危険がある」「駐車場や農地などのニーズがある」という場合は、更地にした状態での売却が良いでしょう。

 

ただし、「2-2.更地にして売却する2つのデメリット」でもお話しした通り、更地にすると税金の特例から外れてしまい、売れるまで高額な固定資産税や都市計画税を支払うことになります。

 

更地にした状態で売る場合には、売却よりも前に解体費用も用意しなければなりません。

 

売主の費用負担が大きくなるため、更地にして売れるという可能性が低ければ、まずは「建物を残したまま古家付き土地」や「不動産会社の買取」、次に紹介する「第三者への無償譲渡」を検討しましょう。

 

4-4.一刻も早く空き家を処分したいなら「第三者に無償譲渡」して処分する

とにかく早く空き家を処分したい人は、第三者へ無償譲渡して処分することをおすすめします。

 

「売ってもそこまで高く売れない」「買主が見つからず、維持管理コストばかりがかかっている」という状況であれば、使い道のない空き家を所有し続けるほうが経済的な負担が大きいでしょう。

 

解体が必要な古家付き物件やリフォームが必要な空き家でも、土地の購入費用が抑えられるため、「少しでも予算を抑えて土地を手に入れたい」という人に買主に引き取ってもらえる可能性が高くなります。

 

現金化よりも経済的負担から解放されたいという人は、第三者へ無償譲渡して空き家を処分することを考えてみてください。

 

 

5.空き家処分時に活用できる支援制度や特例で費用負担を抑えよう

空き家処分時の支援制度と特例

空き家の処分方法について紹介する中で触れた解体費用や税金は、国や自治体が行う補助金、助成金などの支援制度や特例などをうまく活用することで、その費用を抑えられる可能性があります。

 

そこでこの章では、知らないまま手続きを進め、後から「利用しておけばよかった」と後悔しないよう、主な特例や補助金、助成金について紹介するので、自分にあてはまるものがないかチェックしてください。

 

5-1.空き家の解体時に利用できる支援制度

空き家の解体し、更地にして売却する場合、その解体工事や撤去、処分にかかる費用に対して利用できる補助金や助成金を用意している自治体があります。

 

例えば、以下のような支援制度です。

 

福島県南会津町「危険空き家等除却事業補助金」
倒壊や防犯上の問題から周辺住民に悪影響と考えられる危険な空き家を対象に、解体費用の一部を助成することを目的とした補助金。

<補助金額>

・市町村民税非課税世帯:補助の対象となる経費の3分の2以内(補助限度額 80万円)
・市町村民税課税世帯:補助の対象となる経費の2分の1以内(補助限度額 50万円)

参考:福島県南会津町「危険空き家等除却事業補助金

 

埼玉県富士見市「空家除却補助金」
「昭和56年5月31日以前に建築された建物」「空き家に関する勧告を受けていない」といった要件を満たした空き家の除却(解体)工事に対し、除却工事にかかる費用の一部を補助する制度。

<補助金額>

・補助の対象となる経費の3分の1(補助限度額 30万円)
※富士見市では、空家除却補助金を利用して更地にした土地が活用されていない場合、要件を満たすことで、特例対象外となって土地の固定資産税・都市計画税が増額した分の差額を補助する補助金もある。(最大2年間)

参考:埼玉県富士見市「空家に関する補助制度について

 

空き家の解体費用は、一般的な木造建築でも150~200万円程度が相場とされているため、一部の費用を補助してもらうだけでも経済的な負担を軽減できます

 

ただし、要件や補助金額などは自治体によって異なります。「危険な状態の空き家」のみを対象としたケースや、「自主的な空き家の解体」にも対応している自治体がありますが、補助金自体を行っていない自治体もあります。

 

そのため、空き家がある自治体の情報を調べたいときは、まず「福島市 空き家 補助金」のようなキーワードでインターネット検索しましょう。補助金を行っていれば、制度の詳細や問い合わせ先などが確認できるWebサイトが出てくるはずです。

 

「検索したけれどよくわからない」「詳しく知りたい」という場合には、空き家がある市区町村の役所の住宅課や建築指導課などへ問い合わせるようにしましょう。

 

5-2.空き家の売却時に利用できる支援制度

空き家を売却する際に、家財の整理や売却後のトラブルを防ぐための家屋調査などを行わなければならない人もいると思います。そのようなケースに利用できる支援制度を用意する自治体もあるので、頭に入れておくとよいでしょう。

 

例えば、以下のような支援制度があげられます。

 

広島県尾道市「尾道市空き家家財道具等処分支援事業補助金」
空き家バンクに登録された物件の家財の処分や整理、清掃などにかかる費用の一部を補助する制度。(所有者や相続人、管理人や家財道具の処分に関する権利がある人などからの依頼に限る)

<補助金額>

・補助の対象となる経費の2分の1(補助限度額 10万円)
※特定家庭用機器リサイクル料金は除く

参考:広島県尾道市「尾道市空き家家財道具等処分支援事業補助金

 

福島県「『住んでふくしま』空き家対策総合支援事業」
空き家バンクに登録された物件の所有者が、物件の建物状況調査を行う際にかかる診断費の一部を助成する制度。

<補助金額>

・補助の対象となる経費の2分の1以内(補助限度額 3万7,500円)

参考:福島市空き家バンク「『住んでふくしま』空き家対策総合支援事業

 

空き家の売却時に利用できる支援制度がある自治体は多くないため、まずは「地域 空き家 家財 助成金」「地域 空き家 診断 助成金」といったキーワードの組み合わせでインターネット検索をするか、役所の住宅課や建築指導課へ問い合わせ、利用できる支援制度がないかを確認しましょう。

 

5-3.相続した空き家を売却した際に利用できる特例

相続した空き家を売却し、利益が出ると、剰余所得税や住民税といった税金がかかりますが、要件を満たすと節税対策ができる特例や控除が用意されているので、空き家を売却した際も必ず利用できる特例や控除がないかを確認しましょう。

 

主な特例や控除としては、次のようなものがあげられます。

 

特例や控除の名称 内容と要件の抜粋
相続財産を譲渡した場合の取得費の特例 相続した日の翌日から3年10か月以内に相続財産を売却すると、相続税額の一部が取得費として加算され、譲渡することで得た所得(利益)にかかる税金が軽減される特例。

<要件の一部>

・空き家を相続し、相続税を支払った
・相続した日の翌日から3年10か月以内に空き家を売った

相続空き家の3,000万円特別控除 空き家を売却して得た利益(売却金額から取得にかかった費用や経費を除いたもの=譲渡所得)のうち、3,000万円までが非課税となる制度。

<要件の一部>

・昭和56年5月31日以前に建築された建物
・相続した日から3年以内の売却
・相続から譲渡までの間、居住や事業用として使われていない

10年超所有軽減税率の特例 10年以上所有していた空き家を売却した際にかかる譲渡所得税や住民税の税率が軽減される制度。

<要件の一部>

・売却した空き家の所有期間が売却した年の1月1日時点で10年を超えていること
・居住用財産であること

 

いずれも適用になれば大きな節税になります。特に、3,000万円特別控除については、売却にかかった経費などを差し引いた譲渡所得が3,000万円以下であれば、税金を納めずに済むため、知っているのと知らないのとでは懐事情が大きく変わってきます

 

知らないままでは損をするだけなので、要件を満たす特例がないかを確認するようにしましょう。

 

なお、相続に関する特例については、「相続不動産の売却手順を解説!知らないと損する特例と依頼先の選び方」でも詳しく解説しています。相続した空き家を売る人は、そちらの記事もご確認ください。

 

 

6.空き家を売却して処分するなら、まずは不動産会社へ相談しよう

空き家処分を不動産会社へ相

空き家の処分方法について理解し、「空き家を売って処分したい」と思った人は、不動産会社へ相談しましょう。

 

空き家の処分では、「そのまま売るべき?」「更地にしたほうが売れやすい?」といった疑問が生まれやすくなります。

 

その際、信頼できる不動産会社がいれば、実際の空き家をチェックし、過去の取引データや事例といったノウハウをもとに、向いている空き家の処分方法や売り出す時期、売却価格などをアドバイスしてくれます。

 

自分では「建物付きでは売れないかもしれない」と思っていても、不動産会社に相談すると建物にも価値があることがわかるというケースも少なくありません。

 

より良い条件で売却できる可能性が高くなるため、空き家を売却して処分しようと考えている人は、まず不動産会社へ相談するようにしましょう。

 

 

7.スムーズな空き家処分を実現する不動産会社の特徴は3つ

空き家処分に強い不動産会社

空き家を売却して処分するなら不動産会社へ相談すべきと言われても、どのような不動産会社に相談すればいいのかわからないという人もいると思います。

 

国土交通省発表の「中古住宅流通促進 中古住宅流通促進・活用に関する研究会」によると、中古住宅の割合が増えており、年々ライバルが増えている状況です。

 

その中でスムーズな売却を実現するためには、サポートしてくれる不動産会社の協力が欠かせません。

 

そのため、円滑に空き家を処分したいのであれば、次の3つのあてはまる不動産会社を選ぶことをおすすめします。

空き家処分に強い不動産会社の特徴

以下で詳しく解説します。

 

7-1.空き家の売却実績が豊富

空き家の売却実績が豊富かは、とても重要です。

 

空き家は、建物の古さや立地条件など、買主にとってマイナスな面が多く、売却は一筋縄ではいきません。空き家の取り扱いが少なく、売却実績の乏しい不動産会社を選んでしまうと、なかなか売れないという状況を招く可能性があります。

 

空き家だからこその見せ方や売り出し方は、経験に左右される部分もあるため、早く空き家を売却したいと考えるのであれば、空き家の取り扱いが多く、売却実績も豊富な不動産会社を選ぶべきです。

 

7-2.空き家があるエリア(地元事情)に詳しい

空き家が地方にある場合、その空き家があるエリア周辺にある不動産会社を選ぶことをおすすめします。

 

自宅近くの不動産会社へ依頼すれば相談や打ち合わせがやりやすくなるでしょう。

 

しかし、実際に売る空き家が遠くにある場合、不動産会社がそのエリアのことを良く知らないため、買主にうまく魅力を伝えることができません。それでは、空き家をより良い条件で売ることは難しくなります。

 

空き家エリアの販売実績が豊富な地元密着型の不動産会社であれば、その地域に精通しているので、エリアの売却相場や事情に合った提案や価格設定のアドバイスをしてくれるはずです。

 

また、自分が遠方でいけなくても購入希望者の内覧にも対応してもらえ、買主の行動を後押しするポイントを心得たエリア事情に詳しい担当者がしっかりとサポートしてくれるので、売却のチャンスをより確実にして円滑に空き家を売却できるようになるでしょう。

 

7-3.訳アリ物件でも引き取ってくれる

一般的ではありませんが、残置物が残されたままの空き家や、通常の売買では買主が見つかりそうにない訳アリの空き家でも引き取ってくれる不動産会社があります。

 

ただし、処分費用分だけ売却価格が値引きされるケースが多い点には注意が必要です。

 

「片付ける時間が取れず、家財道具が残っている」「余りにも古くて売れない」といった事情を抱えている人は、「残置物そのままでの売却も相談可能」や「築〇年以上の空き家買取実績あり」「訳あり物件の買取可能」などの文言がある不動産会社を探すようにしましょう。

 

福島市の空き家処分をお考えなら当社WIREDへご相談ください
WIREDのサイトイメージ

当社は、福島市を拠点に、空き家をはじめとした不動産売却を行う専門企業です。売主様の居住地域に関係なく取引が可能で、実際、取引の半数以上が県外からの依頼となっています。

担当スタッフは全員が福島市出身で、宅地建物取引士の資格を持っている地元事情に詳しい不動産売却のプロです。そのため、遠方からの依頼でも安心してお任せいただけます。

「家財道具がそのままで空き家が処分できない」というニーズにも対応しており、残置物がある状態での買取も行っております

福島市にある空き家の処分をお考えの人は、ぜひお気軽に当社までご相談ください。

株式会社WIREDへ問い合わせをする

 

 

8.空き家を処分せずに所有し続ける3つのリスク

空き家を所有し続けるリスク

ここまでの空き家を処分する方法やお得に処分するポイントなどを見て、「大変そうだから、もう少し空き家のままで置いておこう」と思った人がいるかもしれませんが、空き家は所有し続けるだけデメリットが増えます。

 

特に、次の3つは経済的に見ても大きなリスクとなる可能性が高い状況です。

空き家保持の3つのリスク

その理由について、以下で解説します。

 

8-1.税優遇のタイミングを逃してしまう

一番のリスクは、お得に処分できるタイミングを逃してしまうことです。

 

5.空き家処分時に活用できる支援制度や特例で費用負担を抑えよう」で、空き家の処分時に活用したい支援制度や特例を紹介しましたが、中には期限が決められているものがあります。

 

特に、相続した空き家を売却する場合は、相続から3年以内の売却とされています。通常、不動産の売却は半年~1年程度掛かるといわれていますが、空き家の処分は長期戦となることが多い傾向です。

 

少しでもコストを抑えて空き家を処分したいのであれば、空き家のまま放置せず、早めに売却活動を始めましょう。

 

8-2.所有しているだけでも維持・管理コストがかかる

ここまで何度もお伝えしているように、空き家は所有しているだけで以下のような維持・管理のコストがかかります。

 

▼空き家を所有することでかかる主な費用

固定資産税・都市計画税 10~15万円
水道光熱費
(月額基本使用料のみ)
年間2万円前後
保険料
(火災保険・地震保険など)
3~10万円
修繕費 数万~数百万円
維持費
(庭木の剪定、豪雪地帯の雪下ろしなどを業者に依頼した場合)
数万~数十万円

 

空き家は年数を重ねるほど老朽化が進み、建物としての価値が低下します。空き家売却にかかる手間は、今やっても将来的にやっても変わることはないため、空き家に住む予定がなく処分するつもりなのであれば、すぐに行動すべきです。

 

8-3.将来的に高額な固定資産税を支払うことになる可能性がある

空き家を所有し続けると、将来、行政指導が入り「特定空き家(そのまま放置すれば倒壊する危険がある状態、適切な管理が行われず景観が損なわれている状態などに指定された空き家)」に指定される可能性があります。

 

「特定空き家」になり、助言や指導に従わず、勧告が下されると、さまざまな税金の特例から外れ、支払う税金が増えます。

 

指摘された要因を改善すれば「特定空き家」が解除されますが、以後、指定されないよう空き家の適正な管理を行わなければなりません。

 

負の遺産として残し続けるくらいであれば、早いタイミングで空き家を処分してしまうのが得策と言えるでしょう。

 

 

まとめ

本記事では、空き家の処分方法や自分に合った処分方法を見極めるポイント、空き家の処分時に活用したい支援制度や特例などについて、網羅的に紹介しました。

 

空き家の処分方法は、「建物を残したまま売却」「更地にして売却」「第三者に無償譲渡して処分」の3つがありますが、まずは「建物を残したまま売却できないか」ということから検討してみてください。

 

高く売れれば利益が出る可能性があり、更地にしたときのような税額がアップするといったリスクがないためです。

 

空き家の処分は長期戦となりやすく、通常の不動産売却とは異なるアプローチが必要です。信頼のおける不動産会社を見つけ、まずは相談することから始めましょう。

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